Do★Math 数学博物館 Mathematics Museum
数学科メディアスペースにある、数学だけの博物館では、昔使われていた携帯そろばんや鯨尺ものさし、ピタゴラスの定理パズルや展開・因数分解パズルなど、数学にまつわるさまざまなものを展示をしています。
「Do★Math 数学博物館」からのお知らせ
私たちは、算数・数学を手に触れたり、パズルやゲームでわかりやすく、そして楽しみながら理解できる「Do★Math 同志社中学校数学博物館」を2016年5月にオープンいたしました。展示物の多くを並べた数学科オープンスペース(「数学メディアスペース」)を中心に、数学教室ゾーンを総称して、Do★Mathです。
このページでは、ブログでDo★Mathの展示物を皆さんに紹介していきます。展示内容を知っていただくとともに、数学読み物としても楽しめる連載にしていきたいと考えています。
発行は月2回不定期に、月日を合わせた3ないし4ケタの数字が素数の日に発信します。例えば、5月23日は523と表すことになり、523は素数です。
※こちらのイベントは終了しました。
展開・因数分解パズル2
明日7月1日を701と3ケタの数で表すと、701は素数です。西暦を含めた20170701は3と23と401という3つの素数で割り切れるので、素数ではありません。(明日は土曜日のため今回は前日6/30に発信しました。)次回の発信は9月7日(木)を予定しています。
前回、皆さんに直積表を利用して因数分解を理解するパズルを紹介しましたね。今回はその第2弾です。
このパズルの3種類の板は、
黄 :一辺xの正方形、面積x2
ピンク:一辺がxと1の長方形、面積x
緑 :一辺1の正方形、面積1
です。
したがって、右の図で、板の種類ごとに面積を表せば、2x2+7x+6となりますし、大きな1つの長方形の面積と考えると、(x+2)(2x+3)となり、2通りの表現で面積を示すことができますね。
これが展開と因数分解の正体です。また、このパズルを簡単に表した(抽象化した)のが直積表です。たすきがけよりも展開・因数分解のしくみが可視化されていますよね。
(数学科 園田)
“Expansion & Factorization puzzle 2”
The last time, I showed “Expansion & Factorization puzzle”. This time, I will explain the structure of expansion & factorization using this puzzle.
Look at the puzzle in “figure1”. “x2” is an area of a square of a side x, “x” is an area of a rectangle with each side of x and 1. “1” is a squares of a side 1. We can say the total area of those pieces is “2x2+7x+6” and can also say “(x+2)(2x+3)”.
This is the true colors of Expansion & Factorization. And “a direct product table” is a model of this puzzle. This model visualizes the structure more clearly than “tasuki – gake”.
展開・因数分解パズル
今日6月19日を619と3ケタの数で表すと、619は素数です。西暦を含めた20170619は7と17と169501でという3つの素数で割り切れるので、素数ではありません。
多くの大人の皆さんは中学生、高校生のときに、展開・因数分解をおそらく「たすきがけ」という方法で教えられていると思います。日本の学校では、とくに高校ではほぼたすきがけで教えられています。それは、教科書にはたすきがけ(図1)の方法しか記されていないからで、多くの大人は直積表(図2)を使って教えられた経験がありません。一方、欧米では直積表を使う指導が一般的です。
右の図を見てください。直積表を使って考えると、この図3のように因数分解を長方形のタテとヨコの長さとして認識できるからです。
Do★MATHには、展開・因数分解パズルがあります。黄○枚、ピンク○枚、緑○枚を使って1つの長方形を作ろうという課題が提示されていて、楽しみながら展開・因数分解の概念を理解することができます。
大人の皆さんも生徒・学生の皆さんもこのパズルを楽しんでください。
(数学科 園田)
“Expansion & Factorization puzzle”
Many people have studied expansion & factorization by using fig.1, “tasuki – gake” in Japan, especially in high school. Because Japanese official textbooks authorized by the Japanese government describe only one way of teaching fig.1, many Japanese teachers do not know the way of using fig.2. But many people in Europe study expansion & factorization by using fig.2, “a direct product table”
Please check fig.3.
When you think about a factorization problem by using a direct product table, you can recognize numbers and expressions as length and area of a rectangle.
We have Expansion & Factorization puzzle in our Do★MATH. You can see the meaning of expansion and factorization playing with this puzzle.
Let’s try it together!
しきつめ
今日6月13日を613と3ケタの数で表すと、613は素数です。西暦を含めた20170613は113と178501という2つの素数で割り切れるので、素数ではありません。
皆さんは「しきつめ」を知っていますか。1種類または数種類の合同な図形で平面をすきまなくしきつめていくことです。正六角形をしきつめたハニカム構造もその一つです。1種類の多角形でしきつめるときは、どんな多角形でもできるわけではありません。しかし、三角形と四角形はうまく並べると、必ず平面をしきつめることができます。これをデザインとして応用したのがエッシャー(1898 – 1972)です。彼がしきつめデザインの作品を多く発表したので、しきつめは「エッシャー図形」として有名になりました。自分で書くときは、平行四辺形やひし形から模様を書き始めると作りやすいです。
ニューヨークの数学博物館MOMATHが、しきつめ用のいろんな形のパーツを販売しています。先日、うさぎとさるのパーツを買ってきました。 数学ステーション(数学科教員室)入口のホワイトボードに貼ってあります。
ぜひチャレンジしてください。
(数学科 園田)
“Tessellation”
Do you know tessellation?
A tessellation is the making of a tile plane using one or more geometric shapes.
You may have seen honeycomb structures like the figure. We can make of a tile plane using triangles and quadrangles. Escher (1898 – 1972) was famous for tessellation designs.
MoMATH sells pieces that we can use to make tessellation on a flat surface. I bought pieces in the forms of a rabbits and horses. Those are on the wall near the Math station (math teacher’s room) on the 3rd floor.
Please come to Do★MATH and try them!
視力検査
今日5月23日を523と3ケタの数で表すと、523は素数です。西暦を含めた20170523は3187と6329の2つの素数で割り切れるので、素数ではありません。
皆さん、普通の視力検査では壁に検査表が貼ってあって、表の中の文字や記号が下に行くほど小さくなっていますよね。私たちがよく見る表では最下段は2.0となっていて、それ以上の視力を測ることはできません。実は、ほんとうの視力の決定方法(「定義」と言います)は次のように決まっています。
ランドルト環という大きさの決まった記号「C」を5メートル離れたところで見分けられると、視力は1.0です。そして、ランドルト環の大きさは変えずに、人が10メートルに離れたところで見分けることができると、視力は2.0です。そうです、視力と距離は比例しているのです。ランドルト環は眼科医エドムント・ランドルト (スイス 1846-1926) によって開発され、彼の名前がそのまま名称となりました。
本校3階数学教室前の廊下には西の壁に貼ってあるランドルト環からの距離を示してあります。5メートルおきに25メートルまで示してあるので、一度皆さんもチャレンジしてください。
(数学科 園田)
“Visual acuity testing”
We always see the chart for visual acuity on the wall. Characters or symbols get smaller as we look at the chart from top to bottom. In many cases, we can’t measure visual acuity of more than 2.0.
We will tell you about definition of visual acuity. If you can see “C”(a Landolt C) at a distance of 5 meters, your visual acuity is 1.0. If you can see it at the same size at 10 meters, your visual acuity is 2.0. You will see that visual acuity is in proportion to distance. A Landolt C is a symbol of an optotype that was developed by the Swiss-born ophthalmologist Edmund Landolt (1846-1926).
There is a Landolt C on the wall of the hallway on the 3rd floor. We indicate a distance from it, at 5, 10, 15, 20, and 25 meters on the floor.
Please come to Do★MATH and try!
2のn乗
今日5月9日を509と3ケタの数で表すと、509は素数です。西暦を含めた20170509は3で割り切れるので(3×6723503)、素数ではありません。
2¹、2²、2³から236までの数値をさまざまなもので表した展示です。最初のほうは、ビー玉や米粒をその個数分を実際に瓶に入れて展示していますが、値が大きくなるとイメージ写真で展示しています。米粒は一合(150g)が約6500粒ということがインターネットで調べてわかりました。一部(2の20乗から30乗)を紹介します。
2の20乗 – 104万8576 エクセル画面の行数
2の21乗 – 209万7152 長野県の人口209万人
2の22乗 – 419万4304 宇宙最速の白色矮星「US 708」、420万km/時
2の23乗 – 838万8608 ブラジル国土851万km²
2の24乗 – 1677万7216 オランダ人口、約1700万人
2の25乗 – 3355万4432 錦織圭さんの年収3350万ドル(フォーブズ2016長者番付)
2の26乗 – 6710万8864 NASA深宇宙探査向けに高度ソーラー電気推進システム6700万ドル
2の27乗 – 1億3421万7728 世界で1年間に産まれる子ども約1億3000万人
2の28乗 – 2億6843万5456 世界の食肉生産量2.7億トン(豚・鶏・牛 FAO 2013)
2の29乗 – 5億3687万0912 カンブリア紀 5億5千万年前-5億年前
2の30乗 – 10億7374万1824 Lenovo 10億7000万色表示できるテレビ
この展示は、ドイツの数学博物館「Mathematikum」にあったものを参考に作りました。
(数学科 園田)
“2 to the nth power”
We have the exhibition of 2 to the nth power.
We made them by using marbles, grains of rice and photos.
For example, 6500 grains of rice weigh around 150 grams.
We will introduce some.
2^20 – 1,048,576 the number of rows of Excel
2^21 – 2,097,152 the population of Nagano prefecture
2^22 – 4,194,304 the velocity of “US 708”, the Galaxy’s fastest-moving white dwarf star
2^23 – 8,388,608 the area of Brazil
2^24 – 16,777,216 the population of Netherlands
2^25 – 33,554,432 Mr Nishikori Kei’s annual income (Forbes 2016)
2^26 – 67,108,864 The Solar propulsion system for Space launch developed by NASA
2^27 – 134,217,728 the number of children born every year in the world
2^28 – 268,435,456 meat production in every year(pork・chicken・beef FAO 2013)
2^29 – 536,870,912 Cambrian period
2^30 – 1,073,741,824 the number of colour of TVs made by Lenovo Corporation