Do★Math 数学博物館 Mathematics Museum
数学科メディアスペースにある、数学だけの博物館では、昔使われていた携帯そろばんや鯨尺ものさし、ピタゴラスの定理パズルや展開・因数分解パズルなど、数学にまつわるさまざまなものを展示をしています。
「Do★Math 数学博物館」からのお知らせ
私たちは、算数・数学を手に触れたり、パズルやゲームでわかりやすく、そして楽しみながら理解できる「Do★Math 同志社中学校数学博物館」を2016年5月にオープンいたしました。展示物の多くを並べた数学科オープンスペース(「数学メディアスペース」)を中心に、数学教室ゾーンを総称して、Do★Mathです。
このページでは、ブログでDo★Mathの展示物を皆さんに紹介していきます。展示内容を知っていただくとともに、数学読み物としても楽しめる連載にしていきたいと考えています。
発行は月2回不定期に、月日を合わせた3ないし4ケタの数字が素数の日に発信します。例えば、5月23日は523と表すことになり、523は素数です。

「ペンローズの三角形」をご紹介します

2026年9月、株式会社novis様より、数学展示物「ペンローズ」の三角形をご寄贈いただきました。
立志館3階数学教室前廊下の突き当たり(西側)に展示しています。直線で東西方向に30メートル以上ある廊下なので、遠くから見ると普通の三角形のモニュメントのように見えています。しかし、実際は三角形のある辺とある辺は離れています。目の錯覚を利用しています。
「ペンローズの三角形」は、実際に作ることのできない「不可能物体」と呼ばれるものの一つです。そして、それをある角度から見たときだけ実在するように作ることができます。(片目を閉じて見るとわかりやすいです。)親子であるライオネル・ペンローズとロジャー・ペンローズが考案したことからこの名前が付いています。物理学者・数学者ロジャー・ペンローズと、だまし絵(錯視)で有名な版画家マウリッツ・エッシャー(オランダ)とも交流がありました。
「ペンローズの三角形」は博物館や科学館で展示されていることがあります。私はドイツの数学博物館「Mathematikum」で見たことがあります。人の錯覚の例示として紹介されています。
以下の写真をご覧ください。(最初の1枚は、ご寄贈くださった株式会社novis代表取締役 山口洋史様(中央)、京都銀行大久保支店長 島田明典様(左)がご来校くださり、贈呈式を行った際の記念写真です。)この模型を遠くから見ると普通の三角形に見えていますが、よく見ると、三角形の1辺を作る角柱同士があり得ない面で接続されています(そのように見えます)。近づいていくと、三角形の辺と辺が離れていることがわかります。
目の錯覚・錯視や脳の錯覚で実在していないものが実在しているように見えることを応用して作った作品は「トリックアート」と呼ばれていて、科学館で特集されていることがあります。数学や科学はさまざまな分野へと広がっています。
ぜひ一度、ご覧になってください。
(数学科 園田毅)

3月14日は円周率の日
先週の土曜日3月14日は「円周率の日」でした。
日本ではあまり有名ではないですが、アメリカ・NYにある数学博物館(MoMath)のSNSでは、毎年3月14日に「π(pi ) day」の配信があります。このニュースのサムネイルは、MoMathが3月14日にSNSで配信した写真です。英語で、π=pi、ピザ(パイ)と発音が同じなので、ピザを食べて円周率の日をお祝いすることもあります。 今年、Harvard大学の数学科研究室(Harvard Department of Mathmatics)でピザを食べるイベントが配信されていました。
本校の数学博物館には、5万ケタの円周率ポスター(ドイツ・数学博物館)をはじめ、円周率が書かれたTシャツ(ドイツ・数学博物館)、マグカップ(NY・数学博物館)があります。


円の形は、馬車や牛車の車輪など大昔から人々に身近な存在でした。
車輪を作るため、直径と比べて円周部分はどれくらいあるのか、つまり円周率を求めることが必要になりました。最初は、正多角形の周と比べて円周を求める方法が使われました。正6角形を円の内側と外側に書くと、円周は2つの正6角形の間の長さになります。それで円周率は3より大きく3.46より小さいことがわかります。正6角形を正12角形、正24角形、辺を2倍にしていき、正96角形まで計算して、円周率を3.14まで求めたのが紀元前3世紀のアルキメデスという科学者です。
その後、円周率を厳密に求めることが数学者の研究テーマの一つにもなりました。
一方、日本では江戸時代が終わるまで鎖国をしていたこともあって、「和算」と呼ばれる独自の数学文化が発展しました。関孝和(せきたかかず)は1680年ごろ、当時日本で3.16が使われていたのを3.14が正しいことを証明し、それ以来日本でも3.14を使うようになりました。建部賢弘(たけべかたひろ)は1722年、当時の世界記録である41ケタまで円周率を計算しました。

以上、円周率の日にちなんだお話を紹介しました。AI技術も含めて科学はこれからも発展していきますが、その大元には数学があります。実は私たちの身の回りにあふれている数学を、皆さんが興味を持って学び続けてくださることを願っています。
(数学科 園田毅)
ユーレカ・キューブ ~“Eureka Cube”
2月11日を3ケタの数で表した211は素数です。西暦を含めた20240211は、3×6746737と2つの素数の積で表されるので素数ではありません。
最近、ユーレカ・キューブ(ユーレカのキューブ)を知りました。
8つのピースから、1辺の長さが3、4、5となる立方体を作り、さらに組み直して1辺が6の立方体を作ることができます。
33+43+53 = 63 (= 216)
となることを示しています。通信販売で購入した2cm角の木製立方体を接着してピースを作り、着色して完成しました。

1辺3の立方体(左下)はこれだけで1ピース、1辺4の立方体は写真下の2つのピースでできます。残り5つのピースで1辺5の立方体を作るのが難しいです。もし、1色に塗っていたら難度は跳ね上がると思います。

この3つの立方体を8ピースに戻し、組み立て直すと、1辺6の立方体が出来上がります。
これも作るのは難しいです。私は最後に写真右上にある1辺4の立方体から2つ欠けているマリンブルーのピースをはめ込んで完成しましたが、欠けている部分のはまり方に感動しました。
ユーレカ・キューブは、以前は販売されていたようですが「品切れ」となっていたりして、今販売しているサイトを見つけることはできませんでした。ネット販売やホームセンターで木片を購入して自作するのが手軽だと思います。
高木茂男「Play puzzle パズルの百科」(1981初版 平凡社 p70)に「ユーレカのキューブ」が紹介されています。イギリスにあるケンブリッジ大学数学協会が発行するジャーナル「Eureka」(ユーレカ)に紹介されたのが初めてと記されていました。ちなみに、ケンブリッジ大学(University of Cambridge)はニュートンやダーウィンも学んだ大学です。
この本では、8個に分割されているピースが紹介されていますが、ユーレカ・キューブについて書かれている記事を調べると、直方体9ピースでできている分割方法も紹介されていました。
直方体ピースのユーレカ・キューブも作る予定でいます。
ぜひ博物館におこしになって、チャレンジしてみてください。
(数学科 園田毅)
“Eureka Cube”
I recently learned about the Eureka Cube.
From the 8 pieces, we can create cubes with side lengths of 3, 4, and 5 blocks, and then reassemble them to create cubes with a side length of 6 blocks.
You can make a cube.
Expressed numerically, it looks like this.
33+43+53 = 63 (= 216)
Each block was made with a 2cm square wooden cube, then finished by coloring.
The “Eureka Cube” is introduced in Shigeo Takagi’s “Play Puzzle Encyclopedia” (1981 first edition Heibonsha p70-71).
A piece divided into 8 pieces is introduced. When I looked up an article written about the Eureka Cube, I found that it also introduced how to divide a rectangular parallelepiped into 9 pieces.
A cube with a side length of 3 blocksis just one piece. The 4 cube is easy tomake as there are only two pieces.
I think a cube with sides of 5 blocks or6 blocks is quite difficult.
Please come to the museum and giveit a try.
by Tsuyoshi Sonoda (Math Dept.)

数学博物館見学会を開催しました

9/16土午前、Do★MATH同志社中学校見学会を開催しました。
10組の小学生・ご家族様がご参加くださり、博物館の見学、折り紙、「ミウラ折り」を一緒に楽しみました。
今回のメイン体験は、宇宙空間での応用が進められているミウラ折りです。折りたたみ地図を作って、ミウラ折りの便利な性質を体験しました。普通に紙を折ると折り目が長方形になりますが、「ミウラ折り」は折り目が平行四辺形を作るように折ります。この発明で、宇宙飛行士が船外活動することなく太陽光パネル等の組み立て作業をできるようになっています。(宇宙実験・観測フリーフライヤ SFU等)
参加者の皆さんの学びを楽しむ様子がすばらしかったです!
ご来館くださった皆さま、ありがとうございました。
(数学科 園田)


牛乳パックでシェルピンスキー四面体
“Sierpinski tetrahedron by milk cartons”
4月21日を3ケタの数で表すと、421は素数です。西暦を含めた20200421は、3581×5641と2つの素数の積で表されるので素数ではありません。

2019年度中学3年生は、ピタゴラスの定理の応用で、牛乳パックで正四面体と正八面体を作り、その体積を計算しました。
1Lの牛乳パックを約半分(高さ約12 cm)に切ったパーツ1つで一辺14 cmの正四面体1つ、パーツ2つで正八面体を1つ作りました。(写真2&3) これらの体積をピタゴラスの定理を使って計算すると、意外な結果が出るところもおもしろいです。興味のある方はぜひ体積を計算してみてください。その後、1人が1つ作った正四面体を合体させて、学年で1つのシェルピンスキー四面体を製作していきました。(写真1)
これが256個、16段に重なって、180 cmを超える(11.4×16=182.4 cm)シェルピンスキー四面体ができあがりました。春休み中、数学1教室「ピタゴラス」で展示しました。
(写真4&5)は、64個による大きなシェルピンスキーの山が3つできたところです。
4個の山(2段の正四面体)をシェルピンスキー四面体1ユニットとすると、牛乳パック4個の容積と中空部分の体積は同じです。しかし、4ユニット(16個4段)、16ユニット(64個8段)、64ユニット(256個16段)になるにつれて、牛乳パックが占める容積は完成されたシェルピンスキー四面体の4分の1、8分の1、16分の1になってしまいます。

このように、シェルピンスキー四面体はとても不思議な立体です。興味を持ってくださったらうれしいです。
( 数学科 園田毅)
“Sierpinski tetrahedron by milk cartons”
Our 9th grade students made regular tetrahedron and octahedron with milk cartons, and calculated their volume using Pythagorean’s theory.
Our students made a regular tetrahedron, 14 cm on a side with a piece that is a part cut about half of a milk carton, and a regular octahedron the same length on a side in 2 pieces. (Figure2&3) It is interesting that will be a wonderful result when you calculate these volumes of 2 solids. Let’s try to calculate if you are interested in these things. Then we made a big Sierpinsky tetrahedron gathering regular tetrahedron, where 1 student made 1 regular tetrahedron. (Figure1)
We made a big Sierpinski tetrahedron with 256 pieces, 16 tiers and more than 180 cm. We exhibited it in math classroom 1 “Pythagoras” during spring vacation.
There are 3 masses of Sierpinski tetrahedron with 64 regular tetrahedron in figure 4 & 5.
If we define Sierpinski tetrahedron with 4 regular tetrahedron as 1 unit, the volume of 4 pieces of milk cartons and the space of 1 unit of Sierupinski tetrahedron are same. But when Sierpinski tetrahedron become 4 units (16 pieces, 4 tiers), 16 units (64 pieces, 8 tiers), 64 units (256 pieces, 16 tiers), the volume of the milk cartons gets smaller by a 1/4, 1/8, 1/16.
This is why that Sierpinski tetrahedron is a mysterious solid. We would be happy if you got interested in it.
by Tsuyoshi Sonoda (Math Dept.)







