自分の工夫をひとつ入れる設計

〜自分で設計して、まずつくってみる〜
外村先生の、1年生のものづくりの授業です。ものづくりの授業には、進め方がいくつかあります。ひとつは、先生が手順をぜんぶ説明して、全員が同じ作品を同じ順番でつくっていくやり方です。ひとつ指示を出して、全員がその作業を終えるまで待つ。終わったら、次の指示を出す。「1指示1行動」で進んでいきます。職業訓練の現場では、これはこれで理にかなっています。決められたものを、そろえて、確実につくるためのやり方です。
外村先生が選んでいるのは、そちらではありません。全体の設計を生徒自身に考えさせて、まずはつくってみる。工夫は、ひとつでいい。
「どこかに自分なりの工夫を入れてごらん」
という進め方です。やってみれば、うまくいかないことに突き当たります。外村先生は、それでいいと思っています。というより、むしろそこを通ってほしいと思っています。失敗して、どこでつまずいたのか何が原因で設計通りに行かなかったのかを自分の目で見て、修正させます。技術の学びは、今考えられる最良の方法で解決するという”修正”することにあると言っても過言ではありません。最初から正解が決まっているものではなく、現場に応じて知恵と工夫と使ってうまく解決することが技術の学びです。
前回の記事で、【板の厚みをまちがえて「少し小さめの棚」になった1年生の話】を紹介しました。先生の指示どおりに手を動かせば、失敗のない作品ができるかもしれません。外村先生は、そこで良しとはしていません。工夫の余地と、まちがえる余地を残しつつ、直す工夫(課題にむけた解決策の考えと実行)の場面でこそ、授業の真価が発揮されると考えておられます。
どんな作品ができるのか?生徒たちのうまくいった話も、そうでなかった話も聞きたいですし、生徒一人ひとりの、どんな工夫のはいったメイキングストーリーを聞けるのか、今から楽しみです。(技術科 沼田 和也)






