ナスカの地上絵を、人工衛星で描く

SPRESENSE™と人工衛星で挑んだGPSアート
ナスカの地上絵は、地上を歩いている人には何の形なのかわからないほどの大きさで描かれています。全体の形が見えるのは、空の上からだけです。3年生の技術の授業で、山下先生がこれに近いことに取り組みました。描く場所は地面ではなく地図の上です。上から見ているのは人工衛星です。
この半年、3年生は山下先生の授業でプログラミングを学んできました。前半はKOOVでブロックを組み合わせてロボットを動かし、後半はソニーの小型ボードコンピュータ、SPRESENSEにプログラムを打ち込んでLEDを光らせました。SPRESENSEにはGPSの受信機能があります。単元の終わりに取り組んだのが「GPSアート」です。GPSアートは、GPSの受信機を持って歩き、その移動の跡で地図の上に絵や文字を描く表現です。山下先生は授業のはじめに、京都の街なかを3時間以上走って描かれたマリオや、日本列島に「MARRY ME」と描いたプロポーズの作品を見せました。
生徒はスマホでGPSを毎日使っています。地図アプリを開けば、自分の居場所に青い点が出ます。私が興味を持ったのはSPRESENSE™を使ったGPSの授業だということです。
「いつも当たり前に道案内や天気予報を見るときに現在地を見ていたけどそれが宇宙にある衛星と通信しているからだと分かって身近に感じたからです。」(3年)
屋根や木のすぐそばなのに、思っていたより多くの衛星と通信できていて驚いた、と書いた生徒もいました。
自分で衛星を「探す」と書いた生徒もいます。
「これまで私の中でGPSはスマホの中の話で、使えて当たり前のものでしたが、自分で衛星をプログラミングして探し、自分のいる場所の正確な位置を知ることができると知り、意外だと思いました。」(3年)
班は4人でひとつの絵を作りました。役割はリーダー、iPad担当、SPRESENSE™担当の3つです。リーダーは班をまとめて図形を決めます。iPad担当の仕事は、SPRESENSE™の電源を確保することです。SPRESENSE™担当は、本体を安全に運びます。図形の候補は、同志社の校章、ハート、星、王冠、稲妻、矢印の6つでした。王冠を選んだ班があり、ハートを選んだ班がありました。
サブグラウンドには何も描かれていません。生徒たちはSPRESENSE™を持って、頭の中の図形どおりに歩きます。歩いている間、自分たちがどんな形を描いているのかは見えません。生徒たちがサブグラウンドに散らばって歩いていく様子は、どこか探検隊のようでした。見ていて、頼もしいと思いました。記録をGoogleマップに読み込むと、軌跡は一本の線ではなく、点の並びとして出てきます。点の一つひとつは、SPRESENSE™が衛星の電波を受けて、その瞬間の位置を書き残したものです。ハートの班の点は38個でした。右下に一つ、形から離れたところに点が落ちています。王冠の班は115個の点で、地図の上では横向きに寝た王冠になっていました。
「あまり綺麗には書けなかった。早く歩きすぎたのかもしれない。もっと複雑なものを書いてみたいと思った。」(3年)
また、「グラウンドのような広い場所で、もっと大きな絵を描いてみたい」と書いた生徒もいました。今回描いたのは、サブグラウンドに収まる小さな図形です。もっと広い場所を、もっと長く歩いたら、地図の上にどんな線が残るのか。楽しみです。(技術科 沼田 和也)
※SPRESENSE™およびロゴは、ソニーグループ(株)またはその関連会社の登録商標または商標です。






