SPRESENSE™で人工衛星をつかまえる

3年生の技術の授業で宇宙とつながる
技術の山下先生の授業で、3年生が人工衛星の電波をつかまえました。正門前やスクールヤードの真ん中で、iPadとSPRESENSE™をつなぎ、人工衛星からの情報を取得しました。SPRESENSE™とは、ソニーが開発したマイコンボードで、衛星からの電波を受け取る機能を持っています。
ボードのLEDは、はじめ赤く光ります。衛星を探している合図です。30秒から1分ほど待つと、緑に変わります。赤にするか緑にするかを決めているのは、生徒たちが教室で読んできたプログラムです。衛星からのデータが届いていなければ赤、位置を計算できたら緑になります。ifとelseで書かれた、ほんの数行です。画面の上で文字として追っていた条件分岐が、外ではLEDの色になっていました。班は4人で、リーダー、iPad係、SPRESENSE係、パソコン係に分かれました。どこで測るかはリーダーが決めます。画面には緯度と経度、そのとき捕まえている衛星の数が表示されます。生徒はその数字をiPadで撮影し、教室に戻ってGoogle マップに入力しました。
地図に打った点は、実際に立っていた場所から1メートルほどずれていました。”ずれた”と言えば、ずれています。それでも私はこの1メートル程度の精度に驚きました。GPSの衛星は、地上からおよそ2万キロの高さを回っています。そこから届く電波を手のひらほどのボードが受け取り、学校の中の一点を1メートルの違いで取得しているのは本当にすごいと思います。
ある生徒は、報告書にこう書いています。
「屋根の近くでさらに木の近くでもあるのに緑色に光っていて衛星が通信しにくそうな場所にたくさん通信できたことに驚きました。」(3年)
別の生徒の報告書には、こうありました。
「いつも当たり前に道案内や天気予報を見るときに現在地を見ていたけどそれが宇宙にある衛星と通信しているからだと分かって身近に感じたからです。通信する衛星の数が多ければ多いほどより精度の高い位置が特定できると知って驚きました。」(3年)
アメリカのGPS、日本のみちびき、ヨーロッパのGalileo。いま地球のまわりには、各国が打ち上げた百機を超える測位衛星が回っています。地図アプリの現在地も、荷物の配達も、その電波の上に成り立っています。私たちは地上で暮らしながら、毎日のように宇宙を使っているのです。その仕組みのひとつを、この日、3年生は自分たちの手で”触る”ことができました。
次の学習指導要領では、中学校に「情報・技術科(仮称)」を設ける方向で議論が進んでいます。情報と技術が重なり合う教育の真ん中にSPRESENSE™をおくという授業実践は、全国的に広まってくれたら面白いことになると思っています。(技術科 沼田 和也)
※SPRESENSE™およびロゴは、ソニーグループ(株)またはその関連会社の登録商標または商標です。






