
10/31sat 午後、9名の中学生の皆さんと名古屋大学(東山キャンパス)を訪れました。
(1)「2008ノーベル賞記念室」
2008年に名古屋大学にゆかりのある3名の研究者(物理学賞:益川敏英さん、小林誠さん、化学賞:下村脩さん)がノーベル賞を受賞されて、建築された展示スペースです。この展示室では、研究者の功績を紹介するパネルの他に、内容を理解しやすいようなクイズと解説、研究されていた当時の実験器具、ノーベル賞のレプリカも展示されていました。皆さん、お話を聞いたり、展示を見たり触れたりして学んでおられました。

①物理学賞は、1973年にお2人と南部陽一郎さんが当時4種類だと主張されていたクォークは実は6種類あると提唱し、それによって「CP対称性の破れ」を説明できるとした考え方(論文)に対して与えられました。中学校では最も小さな物質は原子で、さらにその原子は陽子と中性子で構成されている原子核の周りを電子が回転運動しているモノだというところまで学習します。
が、20世紀後半になり、陽子と中性子は実際はさらに細かく分割されることがわかってきます。現在、陽子1つ、中性子1つはそれぞれ3つのクォークからできていて、6種類のクォーク全てが発見されていますが、益川さん、小林さんが当時は3種類しか見つかっていない段階で6種類の存在を予言しました。全て発見されたのは1995年です。
②化学賞を受賞した下村脩さんの功績について、名古屋大学農学部の飯田敦夫さんが説明してくださいました。下村さんはオワンクラゲが持っている緑色蛍光タンパク質を発見、抽出しました。一般的に、私たちヒトの目に光って見えるものには、発光と蛍光、2種類あります。発光は自ら光る物質があって、ホタルやサイリウム(ケミカルライト)、LED照明などがそれです。一方で、自らは光らないのですが、紫外線(ブラックライト)を当てると決まった光を発する物質があります。これが蛍光で、緑色に光る物質が緑色蛍光タンパク質(GFP)です。、これが21世紀に入り、遺伝子組み替えによって動物の体内に蛍光タンパク質を作ることができるようになりました。飯田さんはこの発見を使って、孵化した直後のゼブラフィッシュの血管(緑色蛍光タンパク質で赤く見える)に赤血球(赤色蛍光タンパク質で赤く見える)が流れ出す瞬間を世界で初めて観察・撮影することに成功されました。
今はまだですが(ヒトの遺伝子を組み替えることが認められていないので)、がん細胞だけ光らせて医療の発展に貢献することが可能になることが考えられます。
(2)続いて、農学部の建物へ行き、飯田さんのご研究のお話をお聞きしました。
飯田さんは蛍光タンパク質を用いて、動物の研究をされています。研究施設では、何色かに色づけられたゼブラフィッシュを見ることができました。また、デンキウナギを飼育して体内で発電するしくみも研究されています。参加者の皆さんがデンキウナギが泳ぐ水槽にプラスマイナス2本の電極を入れて電気ウナギをタッチすると、電極につながれたLED電球が白く光りました。


(3)次に、ノーベル物理学賞を記念してキャンパスに植樹された「ニュートンのリンゴの木」を見てからキャンパス内の一般道路を渡り、岐阜大学と合同で作られた共創施設ComoNe(コモネ)を見学しました。昨年開業した施設で、名古屋大学駅に直結して、大学関係者に限らず一般の方も利用することができる交流・発信施設です。フリースペース、ライブラリー、イベントホール、ものづくりエリア、動画撮影スタジオ、貸しキッチンなどいろいろな分野の方が集い、新しい何かを生み出そうという施設でした。中学生の皆さんはそれぞれ興味を持った展示物に見入っていました。

2時間の訪問・見学でいろいろな学びの分野を知ることができました。
名古屋大学や同志社大学は総合大学と言われていて、同じキャンパスの中にさまざまな研究をする人たちがいます。さらに同じ学部・学科・研究室の中でも皆さんそれぞれ問いを見つけて、研究されています。中学生の皆さんにとって、大学という研究の現場で直接研究されている方から学びの広さ、深さ、楽しさを伝えていただいた貴重な経験になりました。
(数学科 園田毅)
<参加者の気づき>
- 名古屋大学に行った学びプロジェクトでは、大学でやっている最先端の理科の研究は、ただ勉強するだけでなく、世界中の環境のトラブルなどといったリアルな問題を解決するために役立っているんだとわかり、いろいろな角度から自分で考えて調べる「農学」のすごさに気づくことができました。さらに、ノーベル賞の記念室にも行ったことで、世界をあっと言わせるようなすごい研究がこの大学から生まれたんだと感動し、自分ももっと不思議なことについてワクワクしながら調べてみたいという気持ちが強くなりました。(1年 中村さん)
- 名古屋大学に行って思ったことは、ノーベル賞を取る人は身近な疑問から研究していることがわかりました。また、デンキウナギを見て思ったことは、自分で電気を生み出して自分を守るために流せる機能が人間にもあったらいいなと思いました。(1年 弓倉さん)





