USBのコードの中身を開いてみる

被覆と芯線の意味
ニッパーでそっと切り込みを入れる。外側のゴムの被覆をむくと、中から細い線が顔を出す。
「あれ、1本じゃない」
その気づきが、この実習のはじまりです。
USBのケーブルを分解すると、外側の被覆の中にさらに被覆に包まれた線が複数入っていることがわかります。赤、白、緑、黒。それぞれの色には意味がある。電源のプラスとマイナス、データの送受信などの役割があります。たった数ミリの断面の中に、役割の異なる線がきちんと役割に応じた住み分けがなされているのです。さらにそれらを束ねるように、細い金属の糸が網目状に巻きついています。ノイズを遮断するためのシールドです。外からの電気的な雑音が、データの通り道に入り込まないようにするための工夫なのです。毎日、スマートフォンの充電に使っているあのケーブルの中に、これだけの知恵が詰まっていることを実感します。
被覆とは何か。
芯線とは何か。
言葉だけなら教科書に書いてあります。しかし、自分の手でむいて、はじめてその意味が体に入ってきます。「受け取るものと、送るもの」が、あの細いケーブルの中に、きちんと役割を持って共存しています。見慣れたはずのものの中に、新しい発見があるのです。技術の授業で大切にしていることの一つは、その驚きを取り戻すことなのです。(技術科 沼田 和也)
本校の実践が下記の書籍にて紹介されています。
『ものづくりの魅力 中学生が育つ技術の学び』 (日本語)
一藝社 (2017/12/19)
ISBN-13: 978-4863591332
【内容情報】(出版社より)http://www.ichigeisha.co.jp/database/profile.cgi?tpl=shoseki&_v=1511858917
技術科の授業を事例として、ものづくりのなかで中学生が学び、成長していく様子をまとめた。ものづくりによって、子どもはどのように成長するのか。そもそも、ほんとうに、ものづくりで子どもは成長するのか。本書は、子どもたちがものづくりのなかで成長していった実例を示す。執筆は日々、ものづくりを通して中学生を育てている技術科の教員。ものづくりを通して中学生が学び、大きく成長する姿を目の当たりにしてきた。中学生に限らず、多くの子ども・青年たちは、ものづくりが大好きで、自分で思い通りのものをつくってみたい、やってみたいと願っている一方で、生活の中でものづくりに取り組む機会が乏しい。やってみたいけれどどうすればよいかわからない、うまくできる自信がない、自分は不器用だ・苦手だと思い込み積極的にチャレンジできない子どもが多いのも現実である。そんな子ども・青年たちも、適切な環境や支援があれば、大人の期待や予想を超えるほどの素晴らしいものづくりをやり遂げ、それを通して人間的に大きく成長していく。その実例として、中学校技術科の授業における4つのエピソードを紹介。これらのエピソードは、生徒の感想文やレポート等から生徒の生の声をひろいあげて構成したものである。そこには、ものづくりに取り組む前後で、自分自身や他人、身近な製品などのすごさ・おもしろさに気付き、より積極的に世の中の物事と関わろうとしていく、生徒の内面の変化や学びが豊かに語られている。ものづくりや技術の学びが子どもの成長に大きな価値があることを示し、技術科の先生はもちろん、中学生の保護者の方々、子ども・青年に関わるすべての人々に「ものづくりにはこんな価値があったのか!」「確かに、そうだよな」など、新たな発見や共感をもって読んでもらいたい。
第1章道具には夢がある
第2章ダイコンは人々の人生の結晶ー農業ってすごい・価値を実感ー
第3章テーブルタップ実習ー「あったらいいな」から設計プロセスを学ぶー
第4章技術を学ぶ文化
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この本について、沼口博教授(大東文化大学)より書評も書いていただいています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssvte/49/1/49_53/_pdf






