同志社中学校の理科では、もう50年以上も前から「カエルの解剖」を実施してきました。昔は各班の代表者が自宅周辺からカエルを捕獲していましたが、ある班はアマガエル、ある班はウシガエルと観察内容に差があったため、その後、業者に依頼してウシガエルを教材として学んでいます。
コロナ禍のこの2年間はなかなか本格実施することができませんでしたが、今年は、理科時間内に班4人で1匹のウシガエルで学び深めることができました。
カエルを目の前にした生徒の皆さんからは、「プニプニして可愛い」「噛みつかへんやろか」「皮膚呼吸か…ヌメヌメしている」、「すっげえ! 足の水かき立派! 」の声や、怖くてなかなか触れることのできない友だちには「気合でいったれ!!」という激励の声や、少しの時間気持ちを落ち着かせてやっと触れた友だちには「やった~! みんな拍手~!!」といった声も飛び交い、微笑ましいひと時でもありました。
私たちヒトもカエルも地球の自然の一員です。ですが、ヒトの安易な行動で外国から生物が来たり、海外に住みついたりして、その土地の古来からの生態系に影響を与え続けています。
地球環境全体からみれば、私たちヒトの行動の影響力は想像以上に大きく、地球史上この特異な時代を『人新世』(Anthropoceneアントロポセン)と名付けられてもいるのです。
生徒のみなさんも、北米原産の特定外来生物指定のウシガエルとの出会いを通じて、カエルやアメリカザリガニの生態的特徴の学びのみならず、地球環境の変遷についての問題や日ごろ自分自身が食べている物とはそもそも何なのかなど、さまざまな視点からの学びを深めてくれることを願っています。