2024年12月20 – 21日、現地で科学を学ぶツアーで、東京大学スーパーカミオカンデ、東北大学KamLAND(どちらも岐阜県飛騨市神岡町)、富山大学先進アルミニウム国際研究センター(富山県高岡市)を訪問してきました。
スーパーカミオカンデ見学後は、坑道を歩いてKamLANDの施設へ移動、2班に分かれて見学しました。KamLANDはシンチレータという液体で満たされた球形のタンクを使って、ニュートリノを観測しています。スーパーカミオカンデより、エネルギーの弱いニュートリノを観測することができて、地球内部、太陽、原子炉から発生したニュートリノを調べています。
今回は、KamLANDの改良工事、シンチレータの入れ替え作業中で、特別にタンクの下部を直接見ることができました。私たちが足を踏み入れたところはシンチレータが入っている球形のタンクの外側の円柱形のタンクの底です。普段は水が入っている場所で、壁面には光電子増倍管がついていました。この改良工事が終わると、KamLAND2が誕生します。
東北大学は東京大学と違って実験施設のみ飛騨市神岡町に作り、そのデータを仙台市のメインキャンパスに送って、分析や研究を行なっておられます。
約3時間の見学を終えて、富山駅前の宿舎へ移動しました。夕食後に振り返りのミーティングを行い、3年生の生徒さんが1日目の気づきを共有してくださいました。私からは、今日の「探究の旅」ツアーの目的をお話しました。
(1)現地を訪問して直接見る、体験する、研究されている方に直接お話を聞いて学ぶという経験をしてほしい。
(2)学校で学ぶことは限られていることを知ってほしい。知らないことはたくさんあります。
(3)中学生の皆さんはこれから海外で生活したり海外の人と一緒に働いたりする可能性が高いです。視野を広く持ち、学校の外の世界を見て考えてほしい。
翌21日土曜午前、富山大学高岡キャンパス(富山県高岡市)にある先進アルミニウム国際研究センターを訪問しました。富山県は元々アルミニウム産業が盛んで、YKKや三協アルミ等有名アルミ製品会社の本社機能が富山県にあります。このセンターでは、大学、企業、自治体が協同して、アルミニウムの国内完全リサイクルを目標に研究を進めておられます。松田健二教授から研究内容のご紹介をお聞きした後、原子が見える電子顕微鏡やリサイクルのためにアルミニウムを含む金属を溶かす機械、製品を作る機械を見せてくださいました。
移動の車内で、本校と富山県の関わりを2つ紹介しました。本校の新キャンパス移転(2010年)に伴い、チャペルに設置した銅鐘は銅器で有名な高岡市で作られたものです。また、各教科教室のサイン等のデザインを手掛けてくださった島津環境グラフィックスは富山県にある会社です。
今回は3つの大学の研究機関を訪問しました。これからの学び、進路選択の参考にしてもらえたらうれしいです。
ご協力くださった東京大学、東北大学、富山大学の皆さま、参加者の皆さん、ありがとうございました。
(数学科 園田毅)