2024年12月20 – 21日、現地で科学を学ぶツアーで、東京大学スーパーカミオカンデ、東北大学KamLAND(どちらも岐阜県飛騨市神岡町)、富山大学先進アルミニウム国際研究センター(富山県高岡市)を訪問してきました。
20日朝、京都駅に集合、中学生23名の皆さんとサンダーバードと新幹線で富山へ。富山駅でバスに乗り換えて、スーパーカミオカンデとKamLANDのある岐阜県飛騨市神岡町へ向かいました。スーパーカミオカンデとKamLANDは、正確には観測施設の名前で、神岡鉱山の中にあります。最初は東京大学宇宙線研究所の講義室、事務室のある建物で研修・昼食です。
東京大学宇宙線研究所に到着すると、まず講義を聞いてニュートリノという粒子の説明と、ニュートリノを観測して宇宙の成り立ちを知るというスーパーカミオカンデの現在の研究目的を学びました。昼食後、再びバスで15分程度移動して鉱山の入り口に到着、ヘルメットを被り、いよいよ神岡鉱山内部に入ります。宇宙線研究所は普通の建物ですが、スーパーカミオカンデとKamLANDは大気の影響を受けにくい山の内部にあるのです。施設の中心部は私たちの上に約1000mの土があります。
スーパーカミオカンデのタンクの上に移動します。足元には5万トンの超純水(純粋な水。正確にはガドリニウムという金属を混ぜた超純水)が入った円柱の形をしたタンクがあり、宇宙から飛来するニュートリノを観測しています。私たちがいるタンクの上は半球型の空間で、多くの測定機器が設置されています。
スーパーカミオカンデのコントロール室も見学させていただきました。タンクの壁には光電子増倍管というニュートリノを検出する大きな電球のような機器が計1万1000個ついていて、ニュートリノと水の電子がぶつかった際に出るチェレンコフ光という光を検出します。光は光電子増倍管によって電気信号に変えられ、それを24時間365日目視で観測しているのがコントロール室です。
コントロール室の前の通路には見学者への説明用にプロジェクタ、スクリーンがあったり、施設全体の模型があったりします。VRゴーグルで底からの目線でタンクを見る体験もしました。
(数学科 園田毅)