2024年6月8日午後、中学生20名の皆さんと名古屋大学へ行ってきました。2008ノーベル賞記念室の展示を中心に、2つのノーベル賞につながった研究を紹介してくださいました。
ポスター内のゼブラフィッシュとデンキウナギの写真は、大学院生命農学研究科飯田敦夫助教の現在のご研究の紹介スライドです。
飯田さんの他、素粒子宇宙起源研究所の髙橋将太さん、リサーチ・アドミニストレーターの丸山恵さんがお話と施設のご案内をしてくださいました。
2008年、名古屋大学に関連した方たちが2つのノーベル賞を同時に受賞されました。1つは、下村脩さん(元名古屋大学助教授)が受賞されたノーベル化学賞です。1962年、緑色に光るオワンクラゲから緑色蛍光タンパク質GFP(Green Fluorescent Protein)を発見、取り出すことに成功したことでノーベル化学賞を受賞されました。21世紀以降、研究対象の生物にGFPを入れて、生きたまま必要な場所や細胞の状態を観察できる「ライフ・イメージング」という技術に利用されています。バイオテクノロジーという学問分野になります。
もう1つは、ノーベル物理学賞はシカゴ大学名誉教授の南部陽一郎さんと高エネルギー加速器研究機構名誉教授の小林誠さん,京都大学名誉教授の益川敏英さんの3人で,素粒子の理論研究での受賞です。小林誠さんと益川敏英さんが名古屋大学のご出身です。
当時、物質を構成する最小単位が原子核に存在する陽子と中性子とされていました。(今でも中高生はここまでしか学習しません。)しかし、小林さんと益川さんが1973年に発表した論文「小林・益川理論)で、自然界はさらに小さなクォークと呼ぶ物質でできていて、クォークは6種類あることを初めて提唱されました。6種類のクォークは、その後約20年かかって全て発見され、6種類のクォークの提唱とその元になる理論を作った南部さんが揃って受賞されたのです。
*上記の説明は、かなり省略して書いています。正確に詳しく知りたい方は、ご自身で調べてみてください。
名古屋大学の皆さん、参加者の皆さん、ありがとうございました。
以下に、参加者のコメントをご紹介します。
- 今回の学びプロジェクトで名古屋大学を訪問して、生物分野で、動物(主に魚など)の細胞を人の医療に役立てることが未来でできたらいいなと思った。自然の中から人の生活に生かすべきことはたくさんあるし、そんな自然の技術をこの名古屋大学で研究するのはとても面白そうだった。またさまざまな大学に訪問して、さまざまな工夫や技術を学んでいきたいなと思った。
- この学びプロジェクトの募集のお知らせを見た時、名古屋大学はノーベル賞受賞者をたくさん生み出していると前にニュースで見たことがあったので、ぜひ参加してみたいな、と思いました。当日は、名古屋大学ではちょうど学園祭が行われていたので大学生の多さに少しびっくりしましたが、先生のお話やいろいろな展示資料からノーベル賞受賞者の功績などを詳しく知ることができてよかったです。
- 今回の学プロで特に印象的だったのは、遺伝子組み換え操作を利用した「デンキウナギの研究」が名古屋大学で行われていることと、科学コミュニケーションを実際に行っている人がいたことでした。名古屋大学の先生から教えてもらった「巨人の肩の上に立つ」という言葉のように、先人達の研究や考えを参考にして、それを更に発展させていくことや、「挑戦してみること」、「興味を持って伝えること」の大切さを大事にして、これからもいろんなことを学んでいこうと思います。
(数学科 園田毅)