2023年3月22日(水)午後、「つくるまなぶ京都町家科学館」代表の宿野秀晴さんとスタッフの倉橋さんが本校で出張実験を実施してくださいました。3名の皆さんが参加されました。
この企画は、今月3/7火と3/22水の2回実施しました。1回目はスピーカーを作り、2回目はマイクを作り、それらのしくみを体感しながら音と電気を学びました。
今回はマイクづくり。まずエナメル線を単3電池に巻いてコイルを作ります。マイクの断面の円形に切り抜いた紙に、コイルを貼り、その真ん中にネオジム磁石をテープで貼り付けて、マイクの基本ができました。
が、ワニ口クリップを使ってコイルとイヤホンを接続して、紙を揺らしても音は聞こえません。紙を揺らして音を鳴らすと、コイルに電流が発生しているのですが、電流が弱すぎるので、聞こえる程度になりません。そこでアンプの出番です。
単3電池をアンプにつなぎ、マイクとイヤホンの回路に流れる電流を大きくする(「増幅」と言います)と、イヤホンから急に音が大きく聞こえて、びっくりしました。机の上や中を叩いたりして音を鳴らすと、とても大きな音が聞こえます。
次の体験がおもしろかったです。イヤホンのコードを伸ばして、隣の人と少し距離を取ります。隣の人のマイク(紙にコイルとネオジム磁石を貼ったもの)に顔を近づけて声を出すと、その声は相手のイヤホンに届きます。逆に、相手が自分のマイクに声を出すと、その声はイヤホンから聞こえてきます。電話の原理を手作りで体験することができました。数十年前は、「電話交換手」というお仕事がありました。電話をかけると一旦「電話交換手」につながり、その人が相手の電話線に線をつなぐことで相手と話すことができました。このことを知っておられる中学生もいて驚きました。
最後に、ボタンを押すと「Happy birthday to you」が誕生日カードの中身を分解して、ピアゾ素子という素材でできているスピーカーを取り出し、手作りマイクと交換して、マイクの替わりにすると、より鮮明な音がきこえるようになります。ピアゾ素子はセラミックスという素材でできていて、この実験では、声(音)を出すと空気による圧力を受けて、イヤホンに流れる電流を作り出す役割を果たしています。
スピーカー(電流→音)とマイク(音→電流)は音と電流の波を変換するしくみを利用して作られています。自分の手で触り、作ることによって、音と電気のしくみを理解できました。
今回は「音と電気をまなぶ」シリーズでした。2023年度も楽しく学べる工作企画を準備しています。お楽しみに!
(数学科 園田毅)