学びのバトンを後輩へ

「学びプロジェクトは何のためにあるのか」を、先輩が自分の言葉で語った
先日、4人の高校生が学校に来てくれました。中学のころに学びプロジェクト(マナプロ)に取り組み、今は高校で探究を続けている卒業生たちです。その4人が、後輩の中学生に向けた時間を、自分たちで企画して届けてくれました。掲げたテーマは「学びプロジェクトは何のためにあるのか」です。中学で重ねた経験が、高校での学びにどうつながっているのか。借り物ではない自分の言葉で、それを話してくれました。
プレゼンのあとはワークショップに移り、お題は「なぜゴミ箱は溢れかえるのか」でした。高校の「公共」の授業で扱っているナッジ、人の行動をそっと変える小さな工夫を題材にしたものです。罰則や強制で正そうとするのではなく、自然と正しく行動したくなる仕掛けをどう設計するか。中学生はグループに分かれて考えました。各テーブルには高校生が一人ずつ入り、進行役を務めた。意見が出尽くして手が止まると、自分の考えを差し出して場を動かしてくれます。中学生からは、高校生でも思いつかなかったというアイデアが次々に出てきました。ゴミ箱に新島襄の目をだまし絵で描いてはどうか?、捨てるとQRコードでイラストが見られるようにしてはどうか?、ゴミ箱そのものをキャラクターの形にするという案もありました。
準備の話を聞くと、ここに至るまでに何度もミーティングを重ねていたらしいです。役割を分け、中学生にどう伝えれば届くかを話し合い、想定問答まで自分たちで用意する。一人は校内のゴミ箱をわざわざ写真に撮ってきて、教材にしてくれました。自分たちの学校の、毎日見ているゴミ箱だ。中学生も、遠い社会問題ではなく自分の問題として考えていたことでしょう。
会が終わったあとも、4人はそれぞれに振り返りを書いていてくれました。うまくいったこと、次はこう変えたいこと。「本当に参加者が求めていたものだったかは分からない」と正直に問い直す言葉もあ理、やって終わりにはしていないのです。
中学生の気づきノートには、こんな一文があった。
「私にはできないけど、私たちならできるという言葉で、さらに自分の探究心に火がついた」(2年)
この高校生たちに、後輩を指導する肩書があるわけではありません。それでも、後輩に伝えたいと思ったことを自分たちで企画し、人を集め、当日まで動かしてきた。私が見ていて思ったのは、中学時代の学びが経験のまま終わっていない、ということではないでしょうか。(沼田 和也)
・「当日はどのくらいの人数が集まるか不安だったが、一二年生の参加が多くとても嬉しかった。全員真剣に、私たちの話を聞いてくれて、プロジェクトのやりがいがあった。高校生になってから、中学生相手にプレゼンをすることがなく、いつもと違った雰囲気で新鮮だった。グループディスカッションの際に、最初は全員緊張している様子だったが、話していくうちにどんどん打ち解けてくれてその分面白いアイデアがたくさん出た。アイデアを出していた時に、中学生の思考力の柔軟さにもう一度気づけた。私自身、中学の頃たくさんマナプロに参加していた時に、中学生の今だからこそ思いつくアイデアを大切にしたい。この思考力は成長すると変わっていくと思っていたので、自分が高校生になってそのことが再認識できた。だから後輩たちにはどんどん今のうちに沢山マナプロに参加してほしい。 “何回もミーティングを重ね、時には何を目的にどう話せばいいか悩むことも沢山あったが、四人で協力して今回のマナプロを作り上げられてよかった。全員が揃うのはなかなか難しく、各々分担しての作業だったので、共通認識を揃えるのが難しかった。ミーティングの方法とかはまた次に繋げられたらいいなと思う。木村くんを筆頭に、もう一度私たちが沢山学び、成長したマナプロで自分たちが恩返しできていたら嬉しい。何回もミーティングを重ね、時には何を目的にどう話せばいいか悩むことも沢山あったが、四人で協力して今回のマナプロを作り上げられてよかった。全員が揃うのはなかなか難しく、各々分担しての作業だったので、共通認識を揃えるのが難しかった。ミーティングの方法とかはまた次に繋げられたらいいなと思う。木村くんを筆頭に、もう一度私たちが沢山学び、成長したマナプロで自分たちが恩返しできていたら嬉しい。今回は私たちが改めて考えるマナプロとは。という視点から、ナッジに繋げていくのが難しかった。高校で、ナッジをテーマに何回かに分けてプロジェクトをしたため、中学生に対して短時間でプロジェクトを考えるのが難しかった。どう伝えたら分かりやすいかを沢山考えた。」(長坂さん)
・「中学生のフレッシュさを感じられた。話し合いの際にいい意味で自由な、高校生の自分にはない視点のアイデアを出してくれた。意見が出にくくなった際も少し誘導したらすぐにアクティブな話し合いが再開されすごいなと感じた。また、自分たちの身近な課題であったため、自分ごととして捉えてくれていたから、もし参加者たちに意欲があれば、今回出たアイデアを学プロ等で深めていって、実現して欲しいと思う。自分が中学生だった頃は、学プロに参加していた理由は漠然としていたから、今回のプロジェクトを通して、少しでも学プロに入る意味を見つけてくれていたら嬉しい。ナッジの説明は中学生には難しいんじゃないかと心配していたが、具体例を出して説明することで意図を理解してくれたように感じ安心した。ぜひ今後も活用して欲しい。
高校でさまざまな活動や勉強、部活などの土台となっている部分に学プロがあり、今回久しぶりに関われたことがすごく楽しかったから、今後もなんらかの形で少し関わっていけると嬉しいと思った。” “ターゲットが中学生ということでどう説明するかを悩んだ。また私たちが、中学で学プロにたくさん取り組んだという経験から、なにか中学生に今後の活動へのヒントになればいいなと思い、どの経験を話すかを悩んだが、自分が人前で臆せず話せるようになったのは学プロでの活動が大きく関わっているから、それについてをメインで話そうと準備していた。
ナッジがどこまで身近に感じているかがわからず、また今後の学プロに生かしてほしいという思いもあったため、ただ理解するだけでなく、ナッジを自分ごととして落とし込んで欲しいと思っていた。そのため、メンバーがゴミ箱の写真を撮ってきてくれたことはすごく役立った。
想定問答をある程度毎回考えていたが、中学生が対象のためそれを考えることも苦戦した。
スライドとか内容を考えるに当たって自分が中学生だった頃に楽しかったり興味を持った学プロを思い返して作ることは意識した。
また自分は高校生など年上の人と話すことが、自分の世界が開けるような感覚があり好きだったから、フランクに話してもらえるような雰囲気で臨もうと思った。」(波止さん)
・「 授業を終えて、印象に残ったのは中学生の発想の豊かさだ。授業の前に、ある程度自分の中でどんなアイデアが出るのかを考えていたが、その中にはなかったような斬新なアイデアがたくさんあった。自分が思いつかなかったような面白いアイデアをたくさん思い付いていて、新たな視点を持つことができたのでとても有意義な時間だった。特に、ゴミ箱に新島襄の目のトリックアートを設置するというアイデアはおもしろく、実践できるのではないかと思った。ナッジは高校生でも理解するのが難しいが、細かく噛み砕いて、具体例とともに説明することで理解しやすかったのではないかと思った。普段は、学ぶ側だが、教える側の立場になることで自分の中でも新たな学びを得ることができた。改めて、社会問題の解決には様々なアプローチの方法があると実感した。授業において、知識を一方的に与えるのではなく、共有し、相手との対話を通して新たな発見を得ることが大事だと感じた。 中学生に積極的に意見を出してもらうためはどのような方法が効果的なのかを考えた。その中で、紙に円と線でつないで書いてもらうのが1番良いと考えた。また、この方法であれば、答えは一つではなく、自由に考えることができると実感してもらうことができるのではないかと考えた。実際に、班ごとに違う意見が出されて、様々な視点からのアプローチを引き出すことができた。思ったことをすべて言い合える環境づくりが大事だとおもった。どんどん、意見を線で繋げていくようにすることで、いろいろな視点からのアプローチを考えてもらうことができた。また、学校のゴミ箱の写真を取り入れることによって、普段は他人事だと思っている社会問題を身近に感じてもらうことができた。身近な問題をテーマにすることで、興味や関心を引き出すことができたのではないかと考えた。今回の準備を通して、生徒が関心を持ちやすい題材や、議論方法など様々な工夫する点があることに気づいた。」(足立さん)
・「当日は、色々な班を回りながら高校生という中学生から見たら大人に見える私たちがいる前でどうしたらうまく発言してもらえるかなどを考え、アドバイスをしたり、アイデアが生まれやすいような環境を作ることができたと考える。しかし、今回のマナプロが、本当に来た人が求めいていたものだったかということはわからない。しかし、高校生として中学校の学びプロジェクトに関わり、高校生の視点でマナプロジェクトとは何かを伝えられたのは非常に良かったと思っている。このプロジェクトが何かのきっかけとなり、参加してくれた人や、その友達などに何らかの良い影響を与えられていたらと思う。 比較的スムーズに準備をすることができたと思う。役割分担から授業のスライド作成までスムーズにでき非常に良かった。しかし、学びプロジェクトを行なっていく上で、どうやって参加者を引き込むのかということを考えることが最も大切で難しいことだということもわかった。プロジェクトやイベントを行う上で、そのプロジェクトやイベントの軸は何なのか、そしてそれは参加者にとってどんな意味があり興味に繋がるのかということを深く考えプロジェクトにした時、それは参加者にとって有意義なプロジェクトになるということがわかった。」(木村さん)






