「IKUKOの記事が掲載された!」とオーストラリアの地元の先生が教えてくれる
自由研究の取組がオーストラリアの地元の新聞”The Ballarat Times"に掲載
学びプロジェクトでの学びをきっかけに自由研究に取り組み、3年間通して建築にかかわるテーマに取り組んだ佐伯さんですが、このたびオーストラリアの地元の新聞”The Ballarat Times”に掲載されました。佐伯さんからメッセージをいただきました。ご覧ください。
こんにちは、佐伯育子です。 前回のYouTube動画から約半年が経ちました。今日は、前回紹介した私の「建築プロジェクト」の「その後」 と 「これから」についてお話したいと思います。
あれから、オーストラリアで出会った建築の模型を完成させました。オーストラリアでゴールドラッシュの町として知られるバララットで、最も印象的だったのがこの THE GOODS SHED の建築でした。模型を作りたいと思った理由はこの建築が「サステナブル」 建築だと感じたからです。製作には3ヶ月ほどかかり、この模型を提出した時に先生から 「バララットの現地の人々に知らせてシェアしてみては?」という提案がありました。 先生からのこの提案にはじめはビックリしましたが、 そのうち、ここまでこだわって作り上げた模型やこの建物に対しての思いを現地の人々と共有したくなってきました。
ちょうどこの頃、再びオーストラリアに短期留学することになりました。 現地について真っ先に向かったのは言うまでもなくTHE GOODS SHED です。 THE GOODS SHED はバララットの町で歴史的にも価値のあるとても美しい建物です。しかし、意外にも、バララットの人々はこれらの建築を当たり前のものとして、その存在や価値に気づいていないように感じました。オーストラリアについて2週間が経った2月中旬、 自由研究発表会にZoom で参加しました。 同じゼミの人たちや沼田先生とZoom 越しに会ったことで、せっかくオーストラリアにいるのに、まだ何も行動に移せていない自分に気づいたのです。
帰国の日が近づいていく中、ようやく、 Goods Shed を運営している会社の広報担当のアレックスさんという方に面会することに成功しました。 出発前に先生から持たせてもらった私の模型の作品集と学校パンフレットを手にして、必死に英語でプレゼンをしました。 そうするとアレックスさんは私の思いをよく理解してくださり、 会社のInstagram に 「すばらしい建築プロジェクトをシェアさせてくれてありがとう!」というメッセージとともに模型の写真が投稿されました。
さらに勇気を出して、現地の新聞社の The Ballarat Times のホームページからメッセージを送りました。 「日本の中学生がバララットの Goods Shed の模型を作った話を、新聞で注目すべきトピックとして使っていただけるようでしたら、ぜひ使ってください!」という内容です。 すると、まもなくして、記者の Tim さんから返事が来て、取材を受けることになったのです。
「この研究を通して『今と昔を繋げる建築』 という新たな視点を持てたこと」そして「コロナ禍で私たちの価値観が変わった今、建築においても、新しさや便利さばかりを追い求めるのだけでなく、歴史や伝統からヒントを得ることも大切だということ」、さらに「GOODS SHED のような歴史的価値のある素晴らしいヘリテージ建築をこれからも大切に守るために、一人でも多くの人にこの価値を知ってもらいたい」という3つのことについて熱く語りました。 そして、この3月、新聞記事として模型の紹介とともにこの思いが発信されたのです。
「伝える」ことの難しさと 「共有」できたときの喜び。 これは中学校時代に繰り返し経験させていただいたおかげで、このような貴重な体験をすることができました。今回のことは小さなことかもしれませんが、確かに、私の建築プロジェクトがバララットのこの歴史的な建築に再度注目してもらうきっかけとなったことは確かです。 これからも私の関心事である「建築」をテーマに、多くの人に「伝える」 そして多くの人と 「繋がる」活動を続けていきたいです。
春休みにはグローバルリーダーをテーマにしたプログラムに学校から参加させていただき、これからのLife Path (生き方・人生)について、他の学校から参加した仲間や留学生リーダーたちと議論を交わしました。国境を越えた様々なバックグラウンドを持った仲間との出会いにとても刺激をうけましたし、新たな人脈を築くことができました。
私の人生という旅はまだ始まったばかりですが、どんな旅となっていくのか、楽しみです。 そして実際の旅もこれからも続けていきたいですし、「建築プロジェクト」を深めていくつもりです。 また今日の私の話を聞いて「ヘリテージ建築」に興味を持って下さる機会となれば嬉しいです。
以下、佐伯さんのポートフォリオの一部です。ぜひご覧ください。
◆Building recreated by model student
https://timesnewsgroup.com.au/ballarat/news/building-recreated-by-model-student/
◆YOUTUBE公式チャンネル★建築プロジェクト(佐伯育子さん)
◆旅で出会いたい建築
◆旅で出会いたい建築
◆ MY IDEAL HOUSE
https://jhs.js.doshisha.ac.jp/manabi/my-ideal-house/
学校のプログラムに過ぎなかった「学びプロジェクト」の中で探究を繰り広げ、探求に終わらせるのでなく研究(自由研究)の実績として国境を越えてアイデアを共有し、地元の人たちがもっと地元に誇りを持てるようなムーブメントへと地元新聞社を巻き込みながらアプローチされています。探究、教科学習の足場しての学びプロジェクトはあたかも”感性OS”としての役割を担っています。これから同志社中学校に入学されたら、ぜひ学びプロジェクトや探究を越えた自由研究の学びの構成を楽しんでください。(沼田)