ブレード・デザインコンテスト’25始動

やりながら課題を絞り込む
今年も、ブレード・デザインコンテストが始まりました。
生徒たちは、自分で設計したタービンのブレードを組み立て、風をつかまえる実験に挑みます。ブレードの形状や角度、材質によって、風の「捕まえ方」は大きく変わります。どのような形のタービンが、より多くの風を受け、効率よく回転できるのか——その問いを自分の手で確かめる取り組みです。
発電時の電圧は アーテックロガー を使って計測します。風を受けてタービンが回転し、発電機が生む微細な電圧の変化をリアルタイムでロギング(記録)し、グラフ化して確認します。目で見えないエネルギーの流れが数値として“見える化”される瞬間に生徒たちはだんだんとひきこまれているようでした。
このコンテストでは「いかに速くタービンを回すか」という競技的な要素もありますが、そこにとどまりません。実験を通して、現実の風力発電における課題にも目を向けていきます。
「風が強すぎたら、どうすれば安全に回せるのか?」
「微風のとき、効率を落とさずに発電できる方法はあるか?」
「もし騒音の問題が起きたら、どう解決できるだろう?」
こうした問いが次々と生まれ、ただの実験から探究へと広がっていきます。実際の風力発電施設では、これらの課題に対してどのような工夫がなされているのか——生徒たちはデータをもとに考察し、技術と社会を結びつけていきます。風を設計する。そのシンプルなテーマの中に、エネルギー、環境、デザイン、そして未来を考える問いが含まれています。(技術科 沼田 和也)
※アーテックロガー(Artec Logger):コンテストにおいて、計測手段として採用するのが アーテックロガー(Artec Logger) です。手軽で精度の高いデータロガーで、タービン発電実験における本コンテストの出力測定をサポートしています。



