「音楽」がその国の歴史・文化とともにあることに気づく
\ 同中 学びプロジェクト report /
世界各国の文化(culture)と音楽(music)に触れていくシリーズ【まるごと!The WORLD MUSIC】。今回のテーマは「クリスマス」。世界中の人々が楽しみに待つ年に一度の大きなイベントです。世界には、その国ならではという独自のクリスマスの習慣や過ごし方がたくさんありますが、もともとローマ帝国の国教化により広がりを見せたキリスト教の行事であるクリスマスも、やはりヨーロッパが本場です。ヨーロッパの人々はどんな風にクリスマスを過ごすのでしょうか。今回はヨーロッパのなかでも特に「ドイツ」のクリスマスをご紹介。なんといってもドイツは「クリスマスマーケットの聖地」と呼ばれて有名です。クリスマス音楽とともに体験できる贅沢な講座(パイプオルガン見学ミニツアー付)を実施しました!
この【まるごと!The WORLD MUSIC】シリーズの講師は、オルガニストでもある同志社高校の佐川淳先生(音楽科教諭)。前半は、ご自身がドイツ留学時代に撮られた写真をスライドでたくさん見せていただきながら、ドイツのクリスマスの様子についてのお話。ドイツのクリスマス当日は家族で過ごすことが中心で、街は人通り少なく、開いているお店も少ない。夜からは皆、教会でミサに参加して、オルガニストは一晩中演奏しているような状態であることや、12月からのアドヴェント(待降節)ではクリスマスマーケットが街の中心部に現れて、そこで手工芸品などがオーナメントやプレゼントとして売られて賑わい、その雰囲気がとっても素敵で心躍るようであることなど。実際の体験にもとづく味わいあるお話に、参加した生徒13名(中1~中3)も、興味津々に聞いていました。ドイツの街の構造で、街の中心部に広場があり、そこにクリスマスマーケットが設けられることや、ドイツには古くから優秀な楽器職人がたくさんいて、オルガンはもとより、ピアノのルーツもドイツの楽器職人がつくったことなどなど。「音楽」と「歴史」がミックスする学びの空間がそこに出来上がっていました。
後半は、普段は立ち入ることがないパイプオルガンの演奏台へ。本校のグレイス・チャペルのためにドイツから材料と職人を手配して作られたパイプオルガンについて、その楽器としての仕組みや構造を丁寧に解説してもらい、佐川先生の演奏によるクリスマスの曲(讃美歌の250番台から)を間近に体感しました。音が振動までも伝わる大迫力に全員が鳥肌をたてているようなスペシャルなクリスマス企画になりました!
<参加生徒の「気づきノート」より>
いつも遠くからパイプオルガンを見ていて、鍵盤はピアノと同じくらいしかないはずなのに、どうやって高い低いでは表せないような様々な音色が出せるのだろうと不思議に思っていました。今回、パイプオルガンを弾く場所まで連れて行ってもらって一番驚いたのは、足元と横にある「ストップ」でした。見た目以上のパイプの多さにももちろん圧倒されましたが、私が気になっていた鍵盤の数や音色を出す足元と「ストップ」は予想もできないものだったので面白かったです。(1年 Wさん)
ドイツではクリスマスの前にマーケットなどを開き、当日は実家などで静かに暮らすことに日本とドイツのクリスマスの暮らし方やクリスマスに対する思いの違いがわかった。(1年 Mさん)