みなさんは「メメント・モリ」(ラテン語)という言葉はご存じでしょうか。「死を想え」とか「死を忘るべからず」と訳されています。実際に『メメント・モリ』(藤原新也著 朝日新聞出版)という本があり、その本の帯には「本当の死が見えないと 本当の生も生きられない」と記されています。
3年理科Ⅱの最後の学びはこの「メメント・モリ」です。右図「生と性と死に関わる多様な視点」のように、私たちは一生を送る中でさまざまな場面に出会い、そこで重要な選択や判断、決断を行う必要が出てきます。その際に求められるのが自分の頭で考え判断する「自己決定力」です。この力は簡単に養成されるものではなく、日々の学びと経験の蓄積から醸成されるものと思っています。その力の土台を作る学びとして「死の学び」を理科の学びの中に組み込んでいます。
生徒のみなさんは「人生カレンダー」という、一生を1年間に例えた表に、自身の人生をデザインしていきます。そんな体験を通して日々の生活が知らず知らずにうちに、より意義深く奥深い一日一日になっていってくれたらと願っています。
《人生カレンダー作成後のひとこと感想より》
- 理想だから現実にはならないと思うけど、考えるのが楽しかったです。
- 未来は幅広い。自由に生きようと思う。
- 自分の理想の人生を考える時間になった。実現できるかわからないけど、計画があればそれを目指して頑張れるので大切だと思った。
- これからも1分1秒を大切に、人生を楽しんで行こうと思います。
- 夢は語れるうちに語っとかないといけないので、ビッグドリ-ム語りました。
- 人生絶対こんなにうまく行かない!! 将来に不安しか残らないが頑張ろうと思った。
- みんなも僕も世の中に名が広まることばかり考えているなと思った。老いたら田畑を耕したい。自分で作った野菜や米を食べたい。
- 自分の将来を考えることで希望を持つことができました。
- 自分の「死」について、これまでしっかり考えたことがなかったので、自分はどれくらい生きて何がしたいのか、そのために今どんなことをすべきなのかを考えることができ、自分を見つめ直すことができました。これからもちょこちょこ考えていきたいと思います。
- このカレンダ-のように本気で130歳まで生きて、おばあちゃんになっても自分のやりたいことは諦めないで自分だけにしか創れない人生をこれから末永く全力で楽しんで行きたいです!!
- 人生は大きな出来事ではなく、小さな事の積み重ねが大切だとわかった。
Memento Mori
Do you know the Latin saying “Memento Mori”? It means “Remember that you (will) die”. There is a Japanese book by Shinya Fujiwara that is titled “Memento Mori” that discusses this idea.
The 3rd Year students in our school learn about “Memento Mori” in their science classes. As shown in the diagram, we are faced with many different situations throughout our lives, where we must make important decisions, and go through with them. What is required in these situations is the ability to think with one’s own head by way of self-determination. But this is not something that is easily developed, it is fostered through everyday learning and experiences. Based on this ability, students are studying about “Lessons from Death” in their science classes.
Our students design a “Life Calendar” using a graph to express their entire lives as just a single year. We hope that this experience helps them have a deeper understanding of their daily lives.