今年も暑い8月が続いています。
8月15日は日本では「終戦記念日」(敗戦記念日)とも言われる日です。よく「戦後〇〇年」の言葉が使われる8月なのですが、地球規模で考えればいつも「戦時中」のように思います。つまり、どこかの国で内戦やクーデター、民族紛争があったり、他の国からの侵略や、マスコミで触れられない小規模の争いも数多いのではないかと思います。
「地球温暖化」等、環境問題を語る時は、人為的な国境を越えたグローバルな視点が大切だと力説されます。世界平和の視点で考えると、私たちは「戦後」の世界を生きてきたのではなく「戦時下に生きている」という感覚が、特に最近は正確ではないでしょうか。こんな時に思い出すのは「平和はあるものではなく作り出すものである。」という言葉です。
同志社は、第2次世界大戦下でもキリスト教主義の学園として、数々の困難に直面しつつも、平和を求めて最大限の抵抗を行ってきました。当時の中学教員もゲートルをわざと逆に巻いたこともあると伝え聞いています。小さな抵抗でも考え実行した教員が存在したことは、心に刻んでおきたい事実です。
当時の卒業アルバムを開けると、あるページには、本校教職員の個人写真の傍らに「戦死」や「行方不明」の鉛筆での添え書きがありました。
今、ウクライナでも教育現場に携わる教職員に同様の事態が進行しているものと思われます。人類の叡智の結集で、平和を作り出す世界を継続的に希求していきたいと思っています。
最後に、以前に生徒有志がとりくんだ『戦時下の同志社』展示会について全校礼拝で語ったお話の末尾の一文を紹介します。
「このように戦争は、平和とは最もかけはなれた最悪の状態です。
私たちも、世界平和をつくりだすために、できることから行動していきたいと思います。
…同志社中学校に関わるすべての皆さん、この地球上から戦争が消え去るまで、ひとり一人ができることを少しずつ考え、行動してみませんか」。
《ご協力: 同志社社史資料センター》