建築模型の意味

第一線の建築家の方に来ていただきました
この日の技術の授業は、二つの内容で構成されていました。ひとつは、第一線で活躍される建築家に来校していただき、類設計室のプレゼンで使用した本物の建築模型を目の前にして建築模型とはどんな意味を持つのかを知る時間でした。もうひとつは、生徒自身が建築模型づくりのイロハを、手ほどきを受けながら学ぶ実習となりました。
その模型を前に語られたのは、模型とは何かという話でした。それは、まだ形になっていない施主さんの願いや、これから住む未来のイメージを映したものであるということでした。同時に、通路の幅をどう取るかといった細かな技術的な打ち合わせを重ねた末に積み上がった、極めて具体的な仕様の結晶でもあるということでした。夢や願いとミリ単位で詰められた精度など、そのようなお話を聴きながら模型をみていると、本来なら相反するように思えるこの二つが、高い次元で統合されてひとつの模型の中に同居していると思えてきます。
そのうえで、次は生徒たちが自分の手を動かす番でした。スチレンボードを使い、平面図に沿って壁を切り出し、図面を見ながら壁を立ち上げていきます。スチレンボードの断面をきれいに接合する”一枚残し”という技法も教わりながら、製作に余裕がある生徒は、屋根のパーツを自作して小さな住宅としてかたちにしていきました。1/100という縮尺であるだけに、1ミリのずれが模型全体の印象を変えてしまうことも実感しました。その緊張感は、さきほど聞いたばかりの「模型の向こう側にいる人の未来」という言葉を背景として、感じていたはずです。
授業が終わっても、生徒たちの質問は止まりませんでした。次々とわいてくる疑問は、好奇心に火がついた証拠でした。模型とは、誰かの願いを現実へと橋渡しする道具である。本物の模型と第一線の建築家に教えていただいた一日でした。(技術科 沼田 和也)
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