
2026年3月14日、三井寺にて本校中学生が作成した算額の表彰式が行われました。

本校では、2012年度から中学3年生の授業で算額に問題と解説を作ることを始めました。2012年夏に映画「天地明察」が公開されて江戸時代の数学が広く知られたこともあり、このとりくみがスタートしました。2013年3月から作成した算額を三井寺さんで展示をしていただいており、今年が14回目です。(秋の開催を含めると15回目)
本日は金堂に全作品が掲示され、優秀作品の表彰式を行いました。三井寺長吏の福家俊彦さんから表彰状を受け取り、金堂の中(普段は入れないご本尊のすぐ前!)と金堂で記念撮影。

セレモニーに参加された7組の皆さんから、作った問題の説明と解説をしていただきました。
その後、三井寺さんのご厚意で、参加者は「光浄院客殿」を特別に見学させていただきました。普段は入れない場所で貴重な見学の機会をいただきました。「書院造」の代表的遺構として、国宝に指定されています。(許可をいただいて撮影しております。)

最後に、観音堂へ向かい、壁面上部に展示してある2012年度以降の優秀作品を拝見しました。

算額奉納が行われた江戸時代は、数学・和算について2つの特徴があります。
1つは、当時の世界では珍しく身分に関係なく数学を学んだということです。今から399年前、吉田光由という京都の数学者が「塵劫記」という計算を教える書物を書き、それがベストセラーとなり、庶民が学ぶ教科書となりました。全国の寺子屋(今の学校、学童のような場所)で農民も商人も読み書きと計算を学んだのです。一方、17-19世紀ごろのヨーロッパで数学は貴族や王のものでした。
もう1つは、生きるために数学を学んだことです。算額はどちらかと言えば文化的な面が強いですが、生活のために数学を学ぶ必要がありました。商人は仕入れたモノを売って生計を立てるのですから当然ですし、農民も年貢の計算をして、時には武士と交渉したりすることもあったわけです。

中学生の皆さんは授業の一環ということでとりくんでいますが、やっているうちに楽しみやおもしろさを感じた方も多くいらっしゃると思います。いつの時代も自分の知識を増やすこと、自分自身で考えることは楽しいことです。算額をお寺や神社に奉納した江戸時代の人たちにもそのような気持ちがあったと思います。この三井寺の観音堂にも過去の優秀作品とともに、江戸時代(1828年)に奉納された算額が飾ってあります。

3月15日より1年間、全員の作品が阿弥陀堂(仁王門から入ってすぐ、受付の向かい)に飾られ、8組の優秀作品は過年度のものとともに永久に飾られます。
ぜひ一度、中学3年生の力作をご覧にお越しください。
三井寺の皆さま、ご関係の皆さま、算額にとりくんでくださった本校3年生の皆さん、ありがとうございました。
(数学科 薗田毅)



