自己治癒コンクリートと出会う中学生の探究

世界初の自己治癒コンクリートを実用化させた會澤高圧コンクリート
コンクリートとは補習しなければならないものです。乾燥や温度変化、荷重によって生じる微細なひび割れは、やがて水や塩分を内部に浸透させ、鉄筋の腐食へとつながっていきます。どんなに高額な資金を投入してつくられたものだとしても、そもそも社会インフラと、補修事業はセットで考える必要があります。補修し続けて社会インフラを維持してきました。しかし、會澤高圧コンクリートのBasiliskが、「直す」から「自ら癒える」コンクリートへと転換されました。中学生がそのバジリスクを実際に体験しました。
自己治癒コンクリートとは、ひび割れが生じても、自らそれを修復するコンクリートです。授業で扱ったのは、オランダ発の技術をもとに開発された Basilisk の自己治癒技術を活用し、會澤高圧コンクリート が国内展開している材料です。このコンクリートには、休眠状態のバクテリアと栄養源があらかじめ混入されていて、ひび割れが発生し、水が浸入すると、バクテリアが活動を開始し、炭酸カルシウムを生成します。その結晶がひびを充填し、閉塞させるとのことです。いわば、素材の内部に時間をかけて「自分で修復していく仕組み」が埋め込まれているです。
校舎のコンクリートの小さなひび割れを確認し、「なぜひび割れは起こるのか」という問いから出発しました。
理科や技術科で学んだ知識をつなぎ合わせながら、生徒たちは“壊れる理由”を構造的に想像していきました。そして、會澤高圧コンクリートのBasiliskの自己治癒コンクリートを紹介しました。バジリスク入りのセメントと砂を水を混合し、水をいれて練っていきました。型枠を組み、打ち込みました。食べごろのアイスクリームの練り具合(シャバシャバでもなくコチコチでもない)という幅の広い表現で、ちょうどよい練り具合を目指しました。後日、この試験体に意図的にひびを入れ、経過観察を行う予定です。本当に閉じるのか。どの程度まで修復されるのか。探究はここから始まります。
この技術は、すでに社会実装が進められていて、インフラの長寿命化、維持管理コストの削減、さらにはセメント製造に伴うCO₂排出の抑制という観点でも注目されています。會澤高圧コンクリートは、ただの素材設計・素材開発をされいるのではなく、むしろインフラ全体の設計、社会の設計といってもいいくらいのお仕事をされいると思いました。
ひび割れは終わりではなく、出発点という今回のワークショップで出会った素材は、未来の社会との接点ではないかと思いました。(技術科 沼田 和也)





