現中学3年生角谷豊寛さんは、2年生次の自由研究で「トランプゲーム『ブラックジャック』でプレイヤーがディーラーに勝つには?」というテーマで研究しました。
角谷さんは、ご自身が好きなトランプゲームの1つ「ブラックジャック」をテーマに、授業で学習した確率を踏まえて、勝利への作戦を考えました。ご存じの方も多いと思いますが、ブラックジャックは自分のカードの合計が21になる、あるいは21に近づくようにカードを引き、ディーラー(日本語では「親」と呼ぶことが多い)より21に近づけば勝ちというゲームです。21以下は有効、21を超えた点数は認められません。数札はそのままの点数、絵札は全て10点、A(エース)は1点または11点とカウントします。
ルールは単純なのですが、最初に配られる1枚を除く手札は全員にオープンになるため、ディーラーおよび他のプレーヤーのオープンになっているカードと自分のカードを見て、もう1枚引くかどうかを決めます。家族や友人と楽しむときは気分や気合で判断すればいいのですが、海外のカジノで行われているゲームでもあるので、確率が研究されています。
今回、角谷さんは、ディーラーの公開カードと自分の札がどのような場合は勝率がこうなるから、
- ストップした方がいい(スタンド)
- もう1枚引いた方がいい(ヒット)
- あきらめる方がいい(サレンダー)
ということを紹介されました。
同じトランプゲームでポーカーの場合は、それぞれの役ができる確率を計算することが簡単ですが、ブラックジャックはたいへん複雑になります。今回、角谷さんは、基本的ないくつかのケースについて確率の計算方法と結果を紹介されました。
ブラックジャックでのプレーヤーの確率について、1990年代にMIT(マサチューセッツ工科大学)の学生が計算して、ラスベガスのカジノで大儲けをしたという実話があります。2008年に公開されたアメリカ映画『ラスベガスをぶっつぶせ』(原題「21」)で有名になりましたので、大人の方の中にはご存じの方もいらっしゃるかと思います。
角谷さんが最後にまとめておられるように、ブラックジャックは深く数学と関わりのあるゲームです。確率に基づいたプレーヤーの判断基準をまとめた「ベーシックストラテジー表」が存在することを角谷さんも紹介されています。3年次でもとりくまれるなら、さらに確率の知識を深めて「ベーシックストラテジー表」の判断のいくつかについて研究されるとおもしろいと思いました。
角谷さんの作品を写真のように展示しています。3階「アルキメデス」数学6教室の廊下掲示板です。
(数学科 園田毅)