中学3年生伊代住知里さんは、「QRコード・バーコード」についてそのしくみを調べるとともに、QRコードの自作にチャレンジしました。
まず、QRコードの成り立ちを紹介して、QRコードがバーコードより多くの情報を伝えられることを解説しました。QRコードは1994年に日本の技術者(原昌宏氏 株式会社デンソーウェーブ)が発明、開発されたものです。特許を取らなかったことで誰でも作れて世界中で利用されるようになったそうです。QRコードは多くの情報、高速で読み取れるという特徴があります。その秘密の1つが角にある3つの「切り出しシンボル」で、機械がQRコードを他の図形と間違えずに認識し、情報を読み取ることを可能にしています。
次は実験です。QRコードの一部を汚したり、ぼかしたり、欠損させるとどうなるかを汚し具合や欠損の度合いで比較しています。「切り出しシンボル」が1つでも認識できないと、情報を読み取れないことも確認されました。
最後に、伊代住さんは、アイロンビーズと野菜でQRコードを作ることに挑戦しました。本研究の最もオリジナルなところは、QRコードの自作です。伊代住さんはアイロンビーズや1センチ角に切った野菜(黒い部分はにんじん、白い部分は大根)をタテ・ヨコ25個ずつ並べて(全部で625個!)、読み取れるか実験してみました。私はバーコードを紙面で試作する授業をしたことはありますが、紙に印刷されているものをアイロンビーズや野菜で作ってみようと思ったことは一度もなかったです。アイロンビーズは加熱して平坦にすると読み取れました。野菜は読み取れませんでした。白と黒を識別できなかったのか、あるいは加熱前のアイロンビーズ同様凸凹な面が読み取りを難しくしたのかもしれませんが、試してみようという実証的な研究心がすばらしいです。
伊代住さんの研究論文は、数学教室「エラトステネス」(数学2)の廊下掲示板に展示してあります。
(数学科 園田毅)