質の高い”わざ”
完成度を決める質
カンナという道具をつかって木製ブロックのスタンドの制作を行なっている。いち早くカンナの技を身につけたら、あとは自由に木材を加工して良いことになっている課題だ。生徒の皆さんは、思い思いのデコレーションを施している。小学校の時の図画工作のクリエティビティを思い出しながら、細部の質を高めることで、作品に信じられないくらいの価値が付加されるのだ。
中学でのものづくりは、単につくるだけではない。完成の質を高めるためにアイデアを絞るのだ。技術の課題には、どんな小さな作品づくりであったとしても、ブランド化の戦略を考案する原体験だったり、付加価値や働く意味、作品の向こう側に想像できる使い手の幸せであったり、さまざまなことを考える要素が埋まっているのだ。中学校で、質の高いわざの獲得を通して一段高い思考を味わってもらいたい。(沼田)