研究に向かうと共有したくなる
研究発表の原点とは?
さまざまな材料を和紙と組み合わせて、新しい和紙の研究に取り組んでいる生徒が、試作した材料を持ってきた。ちょうどその時、竹を使った強度のある構造物の研究に取り組んでいる生徒がやってきた。両者は、以前に「新しい素材を作る」という方向ではよく似たことをしている人がいるという者同士。
和紙の試作をしてきた生徒が
「とりあえず、前に言っていたやつを作ってみた!」と挨拶。
竹素材を研究している生徒が、
「え、やってみた?!どうやった?」と前のめりなリアクション。
和紙の研究者「前にいってたやつあるやん、あれは結局できなくて、それで、、、、」と、説明が続く。
竹の研究者が「あ、それは何で?」「っていうか、これじゃないんや!」「ふん、ふん、それで、それで?」
と、研究内容のスピーディな情報交換が始まってしまい、お互いの研究の進捗状況、課題解決のアイデア、修正方法などをお互いがお互いを引き出しあい、しばらく終わりそうにない状態だった。
このやりとりを聞きながら昔のこと思い出した。
「学びプロジェクトの枠で、最近熱中していることを出し合うような会を作ってください」と言ってくる生徒がいた。それは、プラモデルでも星の研究でも漫画など、ジャンルを問わずに今熱中していることを出し合ったら、「やっていることは違ったとしても、お互いのやっていることのヒントをもらうことができる」「そういう会を作ってほしい」ということだった。それはまるで研究発表会そのものではないかと思った。
学びをシェアする理由?
発表会の意味は?
今日出会った二人の生徒の自然な学びの情報交換、勝手に頭が働いて相手からさまざまな学びを引き出そうとする対話、この生徒たちの学びに対する野性みたいなものが発表会という教育イベントに有機的に繋がっていくのだなと思う。(沼田)