色の心理学
本物の体験をくぐりながら感性を豊かに
見慣れた色相環との出会い直しの30分だったかもしれません。宮川先生より、色相環のお話をいただいたり、ご自身の経験された美しい海の写真や葵祭にみる色使いの秘密のようなお話をいただきました。ある色をじっと見ていて、スッとその色紙を移動させると一瞬その補色が見えるという実験もとても面白かったです。
私の方からの話題提供としては、薬メーカーによる色のストラテジーについて考察をプレゼンさせていただきました。薬メーカーの押し出したい方向と、製品の革新性に色をコーディネイトしていくというものでした。ちなみに取り上げさせていただいたメーカーは以下のものです。なぜ青なのか?なぜ丸みを帯びた四角形があるのか?何をデフォルメしたのか?四色の製品展開とその色の明度・彩度の選択、、全てに理由がある?。。。
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今回のワークを要約すると以下のような感じになるかと思います。
1 周りがどう思っているのかを気にする前に、自分がどう感じるかを大事にしよう。
2 他方、デザインのように、周りがどう感じているか・どう感じているかを知ることでそれを戦略的に利用することもできる。
3 しかしながら、何を快・不快に感じるかはその個人の歴史、五感を通して獲得した経験を根拠にしているものであるからこそ、その人にとってかけがえのないものであり、最終的な局面においてはロジカルな側面よりもそういった主観的な感性のようなものが頼りになるのではないでしょうか。。
巷では春の匂いを感じますが、今しか感じることのできない匂い、肌触り、光、せせらぎなど五感を通した色との出会い直しを楽しんで、その経験を自分の宝物として自分の奥深くに持っておいて欲しいなと思います。
以下、参加された生徒の皆さんからの感想を紹介させていただきます。とても素晴らしい気づきnoteをありがとうございました。(沼田)
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#1 「補色の関係が面白くて違う色が見えてきました。」
#2 「今回の企画を通じて、多くの人が持つ『色』へのイメージが商品などの宣伝効果にも多大な影響を及ぼしていることが分かりました。まさに『色』とは毎日の生活に欠かせない存在であり、同時に目で見て楽しめる文化の象徴でもあるのだとつくづく感じます。現在の日本画でも用いられるという『撫子色』『山吹色』と言った豊富な色名は、まさに日本人の豊かな感性を裏付けていると言えるでしょう。季節の移ろいに身を寄せてきた日本人だからこそ、『色』に対する思いもまた敏感であったと思います。『色』を利用した様々な工夫を社会に取り入れつつ、古人たちの『色』を楽しむ姿勢を鑑みることで、毎日の生活はより豊かなものとなるのではないかと考えさせられた30分でした。」
#3 「今回、この学びプロジェクトを受けて、とてもよかったです。補色ではない配色は、強調したいところがわかりづらく、補色を使った配色は、強調したいところがわかりやすいということを聞いて、確かに、その通りだなぁと思いました。体験も大事だということを聞いて、『言われてみれば確かに!』というような感じになりました。色についてたくさん学べて嬉しかったし、楽しかったです。」
#4 「葵祭の衣装は、季節の色を映しだしているということがとても魅力的でした。お祭りも、歴史的な背景だけでなく色の面からも楽しむという新たな見方を知ることができました。また、海外と日本では色の見え方が違うということも印象的でした。水色のアイスクリームの写真を見た時、私も母も怪しげだな、不気味だなと感じましたが、アメリカでは美味しそうに見えるということがとても興味深いなぁと思いました。なぜそのような違いが起こるのか詳しく調べてみたいなと思いました!」
#5 「補色性を使って印象を決めたり、見やすさを工夫することはとても面白そうだなと思いました。ポスターなどにこの原理が使えるなと思いました。」
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