iPadを図面にする製図学習
正投影図法を学ぶきっかけとしてのiPad利用
iPad のデバイス自体を投影図として、正投影図法の考え方の基本を学ぶという新しいiPad利用を導入しました。
立体を平面にする力を養うのは思ったより難しいことがわかってきています。とりわけ生活体験や原体験が少なくなってきている現代社会においてはなおさらです。プラモデル製作経験がある人などはもっと少ないと思われます。おそらくそういった生活経験の減少が、空間認識の獲得に少なくない影響を与えていると思われます。
製図というテクニックは、図学を基本としながら、描画の才能のある人もそうでない人も知識とちょっとした技能を身に着ければ、だれでも相手に伝わる図を描くことができるという非常に便利なものです。その旨みは、描画の規則性にあります。代表的な図法として、正投影図法(三面図)、等角図法、斜投影図法(キャビネット図)を挙げることができます。中学の技術科では、その技法を全員が体験します。キャビネット図は比較的感覚的に理解しやすく書きやすいですし、もっとも理解しづらいのが正投影図法(三面図法)です。どの学校でも、技術の先生はこの正投影図法の教え方に苦労されていると思います。そこで、iPad を利用して、その考え方の理解に工夫をしました。
立体の写真を三方向(正面、上面、側面)から撮ってもらい、3人のiPadデバイスを写真のような台に並べてもらいます。これだけでその図法の意図している表示の仕方を簡単に理解することができます。つまり考え方が肝ということがわかります。その発展として、新しい図法を創出する問いを生徒たちに出しましたが、そのプレゼンと討論は予想以上に盛りあがりました。(沼田)