限られた条件の中でどうにかする知恵と工夫
新聞紙でどこまで高いタワーを作れるのか?
技術哲学のような学問的な定義からすれば間違いかもしれませんが、誤解を恐れず言ってしまえば、ある意味「技術」とは、限られた条件の中でどうにかこうにかやってのける知恵と工夫のプロセスと言ってもいいのではないかと思うことがあります。昔の映画にもあった「アポロ13」に出てくるシーンで、二酸化炭素のフィルターを船内にある物品の材料を使って、どうにかこうにか作ってしまうシーンがありますが、“技術”というイメージがピッタリきてしまいます。限られた条件の中で、どうにかこうにか必要なだけの解決策を知恵と工夫でやってしまうマインドです。
そのように考えれば、授業や教育的な材料となるものはいろいろと発想しやすくなります。例えば「新聞紙でどこまで高いタワーを作れるか?~ペーパータワーコンテスト~」です。構造力学、材料工学などの学習の先行経験として使われる教材かもしれません。一枚の新聞紙は、本当に軽くて弱くてすぐに破れるのでタワーのような構造物のパーツになるのかと疑いますが、これもまた知恵と工夫でとても丈夫なものになります。一例を上げれば、新聞紙を巻いて細い材料にしてしまえば考えられないくらい強い部材になります。
韓国のKyunghee中学校の生徒のみなさんがこられたとき、共同授業ということでペーパータワーコンテストを開催しました。本当に天井まで達するタワー(構造物)ができたので驚きです。
なんでもやってみて初めてわかることがあります。貴重な体験を、授業や放課後・土日などの学びプロジェクトでやってみてください。さまざまなことにチャレンジした体験は大小に関係なく貴重なものとなります。(knumata)