防災学習×技術教育
手回し発電でエネルギー転換
技術家庭のカリキュラムの中で、防災をテーマにした学習を外村先生は展開している。筆者が所属する土木学会でも「防災」と「教育」は重要なテーマだ。毎年の教育フォーラムでも「防災」は議論されている。(https://committees.jsce.or.jp/education04/node/47)
電気を扱うエネルギー転換の単元で、防災をテーマすると優れたカリキュラムになる。本校では10年前から、取り組んでいる手回し発電の電気工作だ。電子部品をハンダゴテを使って回路に組み込み、防災グッズを作り上げる。
1手回しでエネルギーを蓄積できるものであること、
2ソーラーパネルを使ってエネルギーを蓄積できるものでこと、
3蓄積した電気を明かり(ライト)として利用できるものであること
4ラジオを受信し情報を取得できるものであること
の条件をクリアした防災グッズだ。加えてスマホの充電機能も可能なら付けられていること。
生徒たちが製作する防災グッズは全員同じものではない。自分で防災グッズが必要になるシチュエーションを考え、その考えに基づいて防災グッズの機能を選択して作るのだ。
そもそも生徒たちが、自分語として防災意識を持つためには、地域の歴史や文化を学習し地域への愛着を育てることと、”テクノパワー”と言われる土木技術の学習、加えて避難している状況のシチュエーションを「想像」できる力を育むことだと思っている。生徒一人一人が自分ごととして設定したシチュエーションから、必要な防災グッズを考える外村先生の取り組みは素晴らしい。(沼田)
(沼田)