正確に道具を使うことを学ぶとは、先人たちの知恵と工夫の歴史をトレースしていることと同じであると思う。新しいことを発見し、思いついたアイデアで簡単に解決していけると思ったら間違いで、ちょっとした思い付きやアイデアくらいならすでに誰かによって発明されている。まずは先人たちの作った技と道具を使って、その使い方を覚えてみて初めてわかることがある。その伝統的文化遺産をきちんと学ぶのが同志社中学校の技術科のめざすところでもある。
簡単にみえるこの折りたたみいすの中にどれほどの工夫と、道具があるか想像できますか?確かな角度、正確な切削、軋みなき可動部を実現するために、先人たちはたくさんの苦労をしてきた。それにじっくりつきあえるのも技術科の授業ならではである。