取扱説明書からものづくりが見える
アンプづくりの電気工作からPL法まで
例えばカメラを分解すれば、様々な会社の部品がでてきます。世界規模の大きな会社も、いろいろな会社から部品を仕入れたり組立作業を発注したりしながら、製品をつくり消費者に提供しています。その俯瞰するかのごとき一連のものづくりを体験できる授業として、「取扱説明書でものづくりが見える」という授業デザインです。魚肉工場のパッケージ、定番アンプ回路、日常雑貨などを使いながら、電子機器としてのアンプスピーカーを組み立てました。それの取扱説明書を製作するなかでPL 法にも触れ
ながら、モノづくりを俯瞰するという試みを行いました。
PL法ってご存知でしょうか?「製品の欠陥によって生命,身体又は財産に損害を被ったことを証明した場合に,被害者は製造会社などに対して損害賠償を求めることができる法律」です。その施行前と後では取扱説明書がまったく変わりました。ひとことで言うとわかりやすくなったのです。昔ではありえない製品が世の中に出回って、たくさんの事故がありました。そのような例にも触れていきました。
説明文の書き方、記号の作り方、広告と取扱説明書の違いの理解などを経て、製作した「ポータブルスピーカーアンプ」の取扱説明書を製作します。ユニークな取扱説明書が提出されます。生徒たちが提出してきたレポートには、PL 法や書き方の知識だけでなく、消費者を意識したメーカー側の思いの疑似体験や、手作りスピーカー、スピーカーアンプの製作で得た実感などが詰まっており、大変意義深い教材となります。
ちなみに今ではスマホと優先でつなぐのではなく、Wifi接続が一般的になっています。受信ユニットを加えれば市販のものに近づきますが、優先の作品であってもその原理と、ものづくりの俯瞰は可能になります。