世の中をちょっと優しくする発明のプロジェクト(4)
プロジェクト化する学び
1学期に、3年生では、社会(経済)、美術、技術のコラボ課題「世の中をちょっとやさしくする発明」に取り組みました。
最終授業にて、アンケートを実施しましたので、その結果を整理したいと思います。
以下は、得られた回答の一部です。この取り組みで得られた学びが表れていると思います。
問)社会(経済)、美術、技術のコラボ課題「世の中をちょっとやさしくする発明」に取り組んだ感想を教えてください。
・最初はなかなかアイディアも浮かばず大変でしたが、一つのアイディアが浮かぶと色々な問題に繋げていくことができ考えるのが楽しくなりました。
・自分にも物を作り出す力があったんだなと感動した。
・自分の中からアイデアを出して、それを形にし、他者にわかりやすく伝える練習ができてよかった。
・大変だったけれどこれから疑問に思ったことを調べようと思うきっかけになったと思う。
・他人のアイデアを聞く事で商品についての考えを広めることができたので、人と話してみて意見を取り入れる事は大切だと感じた。
・不備がないか、成り立つのか、なども含めて自分が欲しいなと思う物のアイデアを出すことができたのでとても楽しかったです。人に意見を聞いたりアイデアを聞くのも大事なことなんだなと感じました。
・アイデアは、めちゃくちゃ時間をかけて考えるよりも突然思いついたものの方が面白かったりすることがあるということを知りました。
・難しかった。考えれば考えるほど欠点など納得行かないところがある。それでも最善の方法にできたと思う。
・日々の些細な発見がもしかしたら今後沢山の人の役に立てるのではと思うと、とてもワクワクしました。
・答えがある問題よりも難しかったが、この力はこの先も応用の効くものだと思うのでいい経験だった。
・いつもの生活のなかでこんなものがあればいいなとか日々アンテナをはって、アイデアがでてきた時はとても嬉しかった。
・アイデアを出すのに時間がかかってしまって、どうしようか、もっとこうしたらいいかな、と試行錯誤をしている間に、アイデアを発想する力が身についてきたような気がします。ポスターのデザインにも気を配りました。時間はかかりましたが、達成感を感じました。
・自分の1日を振り返って小さなアイディアを探していくというのが新しい学びで楽しく取り組むことができました。
・各教科で習った、学んだことを混ぜながら学習を進めるというのが非常に面白かった。社会に出ると、各教科で習ったこと単体で使うのではなく、培った知識をすべて使わないといけないのでそういう作業ができたのは面白かった。また、この商品は確かにあれば便利だけれどもこんなマイナーなことのために使うのか、需要があるのか?といったようなことを考えることもいい経験になったと思った。
・身近の困ったことを、それが普通だと受け流していたが、向き合うと、解決できそうなことが多くあると実感した。
・普段何気なく使っているものでも危険なものだったり使いにくかったりするものがたくさんあると思うが、それを改善するようなアイデアを出し、発想力を身につけられたのがとても面白かった。
・発明をするのはテストでいい点数をとるよりかなり難易度が高いと感じた。便利な商品があふれている状況で実用的でまったく新しい発明をするのは少し厳しいと思った。商品開発の苦労を味わった気がした。
・普段愚痴ばっかり言ってるくせにいざいい物のアイデアを出すとなると案外出なかった。皮肉… 困っている人の立場から考えるのは、こう言ってはなんだが、楽しかった。
・アイデアを出すのは難しかったけれど、一つ思い浮かべばそこからたくさんのアイデアが思い浮かんで、取り組んでいて面白かった。アイデアが浮かんでもそれをポスターなどで表現するのがとても難しかった。
・難しかったけど面白かった。ライバル商品のことをいろいろと調べてその対策をしてみるのがいい経験になったと思う。
・身の回りにあるものは全て、何らかの工夫がされていて、どこかの誰かが必死になって少しでも良くしようと考えて作った努力の賜物なのだと気づいた。
・使う人を想像して考えることから使いやすかったり、どの視点からみるのか考えたことが楽しくもあり、大変だった。
・色々な着眼点がどんどん溢れてきて、自分の視野の狭さに気づいたとともに、多角的な視野を持つことがこれからの社会に必要なのだと思った。
・あまり気負わず、中学生の自分らしさのあるアイデアでも十分に世の中を優しくできることがあるとわかりました。自分の可能性を感じられて少し自信が持てました。
・中学生がしてもなにも起こらないと思っていたけれど、実際このような機会をもらって想像することの楽しさや、実際使われていると妄想する面白さなどが得ることができました。今回は機会をもらってチャンスを得る形でしたが、自分から拾えるようになりたいと思うようになりました。自分が持っているものを世のために何かを創造するのはとても面白いことでやりがいのあることだと思いました。
商品のアイデアづくりの後、それぞれの商品を他者に分かりやすく伝えるための工夫として、ポスターやプレゼン動画、CM、取扱説明書などを、各自で選んで作成しました。最終的な成果物の形を生徒自身が決めるのも、今回教員がこだわったポイントでした。
また、「答えのない問いに取り組む」ことについては、この課題に限らず、常に意識しているところです。皆さんの率直な感想を知ることができて、ありがたいです。
「テストでいい点数をとるよりかなり難易度が高い」「多角的な視野を持つことがこれからの社会に必要」「答えがある問題よりも難しかったが、この力はこの先も応用の効くものだと思う」といったコメントに、この課題の意義が詰まっていると思います。
コロナ禍の混乱の中で、生徒の皆さんも不安なところが多々あったと思います。この課題は、教員もこの先どうなるか不透明な中で、“走りながら考える”という部分がありました。皆さんに意見をもらって展開を考えることで、皆さんにとって充実したプロジェクトになっていたとすれば嬉しいです。
(作成:濵野 担当:青木・塩田・沼田・濵野)