大河ドラマ 企画制作室
「これじゃあ あかん!」
「これじゃあ あかん!」
これは、社会の授業でのグループ制作の場面の生徒達の言葉である。授業の課題にすぎないグループ活動が、企業の企画ミーティングでの本気のやり取りのようになってしまっている。かなり高い熱量をもって生徒たちが取り組み、作品の仕上がりの質をあげようとするあまり、ときに辛辣な言葉も飛び交う。
「先生、聞いて!この人(かなり仲の良い友人)が、シナリオの仕事を忘れたから、大変やねん。今日の作業進まへんし、ほんとちゃんとして!」
「ごめん、いや今度はちゃんとやってくるし、宿題してくるし!」
篠原先生の授業風景は実に興味深い。生徒達の課題への向き合い方が、本気なのだ。授業の課題というより、社運をかけたプロジェクトのミーティングのようなのだ。やっている内容は、NHKの大河ドラマの新作を考え、トレイラームービーを制作して発表するというものだ。この課題に真剣に向き合ったなら、やらやらなければならないことはたくさんある。まず、授業で学んだ歴史の授業を振り返り直す必要がある。そしてNHKの「大河ドラマ」ブランドを分析し、その特徴を作品に落とし込まなくてはならない。そもそも「歴史の何が面白いのか?」、「なぜ面白いのか?」など討論しなくてはならない。そのおもしろさの解釈を一般的な歴史観から俯瞰して使えるかどうか決断しなくてはならない。歴史の授業が、動的な躍動感のあるものに変わる瞬間だ。
今日の授業では、生徒達の「企画案」を発表しあった。それぞれの学びの共有のあと、これからはドラマの制作に移行する。どんな味のある新作大河ドラマがでてくるか、3学期がとても楽しみだ。(沼田)