気づきNote2021 MMP
自分の学びをメタ認知システムが学びプロジェクトにはあります
「学びプロジェクト」の学びに成績は全く関係ありません。先生からの評価はありません。ですから、良い成績をもらうために行う勉強でもなければ、進学のためであったり資格のような外発的な他者評価による勉強ではないということが新鮮で、長く学校文化の中にいる者にとってはとても不思議な感覚を持ってしまう活動なのです。なぜかといいますと、学びプロジェクトに参加したあとには、考えたことや考えたことちょっと気づいたことを独自のデータベースシステム「気づきNote」に記入してもらいます。このシステムへの投稿は、自発的であり強制ではありません。であるにもかかわらず、生徒から寄せられる気づきNoteは、とても生き生きした言葉で、A4ページの文章を書いてきます。A4の1ページの文字数は1,600字ですから、大人の私も1ページの文章を書くにはそれなり時間と思考作業をしなければ書けません。しかし生徒は、プロジェクトの直後に600字程度の文章はすぐに投稿してらっしゃいますし、中には1,600を超えるものもあります。授業でいえば、授業後レポートのようでもありますが、強制でもなければ成績も関係ないなかでそれだけの時間をかけて書いてきてくださるので、本当に学んだことや気づいたことを残しておきたいという本心から書いているのだろうと思います。エイジェンシーという言葉が最近はやっていますが、真正の学びへの姿勢とはこのことなんだろうと思います。
生徒に「なぜ学びプロジェクトに参加するのですか?」と質問すれば、「え、おもしろいから。なんで?。」とその質問の意図がわからないかのようなリアクションが返ってきます。小生の人生を振り返って、シンプルに「学び」と自身の「生きる」のつながりが中学校にある幸せを、本当にうらやましいと思います。実社会の本物の人々とつながる醍醐味、量から質へ進化する学び、学びのスパイラルの加速器、これらのゴールはどこにあるのか?それは、子どもだったころの”野性的な学びのリクエスト”を取り戻すことに他ならないと思うのです。
気づきNoteの蓄積は、生徒ひとりひとりに自分が書いてきた気づきをプリントアウトして冊子にして贈呈しています。そしてささやかな表彰として数名の方にMMP(Master of ManabiProject)を認定させていただいております。
今や世界中の学校で「学びの足あと」ともいうべき「学びの履歴」がもとめられるようになりました。「あなたが何者」で「どこへ向かっているあなたなのか」という存在理由ともいえる核心的アイデンティティが求められるようになってきています。学びプロジェクト×気づきnoteが、生徒のみなさんの学びの歴史を作っていきます。(沼田)
※「気づきnote」は本校独自のシステムですが、ENAGEEDのGEARも授業などで活用しながら生徒たちのポートフォリオの充実と、決断力や求めるちからの獲得を応援しています。