香港の高校生たちが本校に来校し、授業見学されたり、英語部にて突然のプレゼン(実はむちゃぶりでした)されたりしました。
高校三年生(正確には卒業生)だけでやってこられたのです。大学に入学する直前の期間だそうです。先生の引率もなく生徒だけで研究調査という目的できたというのです。驚くことに、この生徒たちは高校から旅費を補助してもらって来日されていたのです。高校の授業でよく頑張った生徒たちのなかで、研究計画を学校に提出し(当然、調査報告書の提出は義務)、先生から認められた場合に限り、高校から補助してもらって、海外で研究調査ができるシステムがあるのだそうです。香港すべての高校がそうではないとおっしゃっていましたが。。。その生徒たちは、5日間の日本調査旅行で、自分たちでアポイントメントをとり調査対象と計画を作られておりました。学校関係の調査は、東京大学と同志社中学校でした。自分たちでアポをとってやってくるあたりすごいなあと思いました。
私が知り合ったきっかけは、香港のロボットコンテストでした。来賓として招かれゲストスピーチをしたことがありました。そのときにその高校生と出会っており、名刺交換をしたのでした。日本語でいただいたメールは、メールの書き方の見本のような言葉遣いで、日本人よりも礼儀正しいメールを書いてくるなあと思っていました。お会いしても、普通のスピードで話す日本語の意味を理解しておられ、きっと留学経験がるのだろうと思いきや、なんと初めての日本旅行ということをあとでききびっくりしました。もともと日本のアニメが好きとのことで日本語は少し知っていたとのこですが、研究計画が合格したときにはかなり真剣に日本を勉強したとのことです。そして大学入試の直前はまったく日本語に触れることがなく、この日本旅行で、久しぶりの日本語を話すのでとても緊張しているとおっしゃっていました。同志社中学では、本校の教育についてお話し、授業参観や英語部に参加されました。英語部の先生からの突然の要求であったにもかかわらず、すぐに英語でプレゼンしてくれました。
いくつか気づきをメモさせていただきますと、
1 香港の高校(すべての高校ではないが)は、高校生たちの研究活動・探究活動に力をいれており、研究調査能力と計画がしっかりしておれば補助をしてサポートするという制度をもっていること。←これはまちがいなく高校生たちの学びへのモチベーションにつながっていると思う。アジアの教育というと”詰め込み方式”というネガティブなイメージをもってしまうが、それは間違いかもしれないと感じました。日本の高校でも、堀川高校のように探究活動を本気でサポートしている高校があるが、香港でも同様に高校生の探究・研究に本気でサポートしている学校がある。
2 香港の皆さんは英語がとても流ちょうであるが、来日した高校生は、独学で日本語を勉強されてきた。しかも、日本人同士の通常スピードで話される会話をほぼ理解できるくらいにスキルアップされてこられた。大学入試の受験勉強中はさすがに日本語にはふれられなかったというが、であるからこそなおさらすごいポテンシャルをお持ちの高校生だと感じたし、英語だけでなく現地を学ばれてから訪問するという心構えに感動した。
3 学びプロジェクトの話をすると、非常に興味を持っておられ、実社会と学校を関連付けるようなキャリア教育の側面をもっているとコメントされた。キャリア教育というキーワード、まさにそうだと気づかされた。
(沼田)