国際理解と探究、自由研究
「台湾は新型コロナウィルスをどのようにして抑え込んだのか?」
「台湾は新型コロナウィルスをどのようにして抑え込んだのか?」
1年生の土井さんは今年の自由研究のテーマをこのように設定し取り組んでくださいました。土井さんは、小学生(DIA)のころから台湾の文化や歴史に興味を示すだけでなく、実際に訪問し体で台湾を感じ取ろうとされていました。
土井さんの台湾にたいする関心の始まりは、小さかったころ訪れた台湾でのお店の方とのやり取りだったと言います。「もしかしたら、昔日本人に家族や友達を傷つけられたのかもしれないよ」とお母さんから言われ、台湾と日本の歴史が気になりだし、土井さんの探求が始まりました。台湾の教会の牧師さんとLINEでつながったり、日本と台湾の関係を象徴する歴史的な遺産の踏査、博物館の訪問、若者文化、グルメなど吸収できるもは全部吸収する勢いで、台湾との距離を縮めていきました。その集大成は小学校のDIA時代の探求的なプログラムであるPYP Exhibition 2019(https://www.dia.doshisha.ac.jp/?page_id=4113)にて発表されました。筆者もDIAの先生方から招待をいただきゲストとして参観させていただきました。その様子の画像がなくて残念ですが、DIAのホームページにて2019の案内がありましたのでご参考までURLを貼り付けさせていただきました。チャイナドレスで発表している土井さんは自信に満ちていて、さすがに足でつかんできた本物の経験や体験に裏打ちされていることがわかりました。ひまわりの種というお土産付きでした。^^
ところで、Exhibitionとは国際バカロレアの探究型学習における代用的な発表会です。DIAでは、探究型学習におけるひとつの成果として発表される卒業研究として大切にされています。近年の教育動向の特徴を表すキーワードとして「探究」という言葉がありますが、高校では堀川高校が有名ですし、本校でも堀川高校の探究に学んで取り組みを改善しています。自由研究の発表会(3年生は必修)、論文集、発表会の運営など年々進化しています。
さて、土井さんは中学1年生の自由研究のテーマをコロナウィルスの対応に焦点をあてて、台湾と日本の比較を試みられました。台湾のコロナの封じ込めは世界的に評価されています。土井さんの丁寧で地道なデータ収集、主要人物を軸にして概括、牧師の方との英語でのインタビューなどとても力の入った調査報告をノート2冊にまとめてくださいました。土井さんのような力作はデジタル文書として保管し、後輩たちのために研究文化を共有していきたいと思います。
土井さんは、自分自身の小さな体験をもとに問いを持ち、自身が探求する対象として設定しDIAでのExhibition、そして同志社中学での自由研究とつなげてこられました。私たちに問い続けられることの大切さを教えてくださっています。
コロナ後には、台湾との国際交流、アジアものづくり授業交流をリアルバージョンで再開したいと思っています。(沼田)