もしも2020年の時代にサザエさんの番組を立ち上げるならどんな家屋にする?
冨澤さんのオリジナリティあふれるアプローチ
冨澤さんのテーマは実にユニークでした。サザエさんの番組にでてくる”日本的な家”をテーマに、日本のテレビ文化の中で親しまれる日本家屋イメージを建築の視点から分析し、模型も製作し、もしも新しいサザエさんを立ち上げるとしたら、どのような家を描くのかという「問い」がとてもユニークでした。冨澤さんは、「サザエさんの家が一般的な日本家屋だということを知り、このことを調べてみたら面白いと考え、(これをモチーフに)選びました。」と振り返ります。サザエさんの家を調べていくうちに、疑問は膨らみ、「どのようなところが日本家屋と呼ばれる理由なのか」、「日本家屋はなぜそのような形になったのか」、「今の家と比較」によって何が浮き上がってくるのかなど、探究心はどんどん深みにはまっていったそうです。
冨澤自由研究「サザエさんの家から学ぶ日本家屋」(https://jhs.js.doshisha.ac.jp/wp-content/uploads/2022/08/TOMIZAWA2022.pdf)
冨澤さんが製作した模型にも、発想のオリジナリティが含まれています。冨澤さんの分析の中で「間取り」は、中心的な事柄であり、その間取りを一番わかりやすい建築模型にするならどのような模型がふさわしいかをよく吟味されて、模型を設計されている点に私は注目したいです。写真をご覧ください。もしもOpenDayで本校に来られた時には、ぜひ冨澤さんの「サザエさんの建築模型」をご覧いただきたいと思います。
技術科では「建築」について、様々なアプローチで取り組んでいます。建築構造はもちろんのこと、建築の背景にあるデザイン思考、文化思想と絡み合ったアート性、建築とともに存在する人々の幸せとは何かなど、多方面から建築をとらえて学んでいきます。ぜひ楽しみにしていてください。(沼田)