<円周率のお話1>
江戸時代初期の日本では、円周率は3.16や3.162が使われていました。当時の数学者、吉田光由(よしだみつよし 1598-1673)「塵劫記(じんこうき)」、今村知商(いまむらともあき 生没年不詳)「竪亥録(じゅがいろく)」にそう示されていたからです。しかし、本当の値は3.16より小さいことに気づく人たちが現れ始めました。
赤穂藩の村松茂清(1608頃-1695)が「算爼」(1663年)を著し、正32768角形で円周率小数点以下7位3.1415926まで正確に求めました。
続いて、関孝和(生年不詳-1708)は1681年頃に、円周率を小数点以下11ケタ(3.14159265359-)まで求めることに成功しました。
さらに、建部賢弘(たけべかたひろ 1664-1739)は円周率を41ケタまで求めました。
参考図書4冊、ご紹介しておきます。全て鳴海風さんの著書です。
(1)「円周率の謎を追う」(くもん出版 2018)
(2)「江戸の天才数学者 世界を驚かせた和算家たち」(新潮社 2012)
(3)「算聖伝-関孝和の生涯」(新人物往来社 2000)
(4)「円周率を計算した男」(新人物往来社 1998)
(数学科 園田毅)