オリジナリティを発揮するための3つのポイント
種×(ヒト・モノ・コト)
研究と探究という似た言葉がありますが、微妙に違いがあります。どちらも公に発表することはなんとなく共通していますが、研究では新しさが必要になるのに対し、探求では「オリジナリティ」が大事になると考えています。そのオリジナリティですが、私でしかできない、私ならではの探究をかなえるにはどのように発想すれば、問いが見つかるのでしょうか?それは、
種 × (ヒト, モノ, コト)
という枠組みで考えてみらたらどうでしょうか?
種とは、授業や学びプロジェクトで得た様々な関心や興味、日ごろからやっている趣味のようなもので構わないと思います。すでにたくさんの「種」を気づかぬうちに持っているものです。その「種」と「ヒト」とを掛け合わせて考えてみる、「モノ」と掛け合わせて考えてみる、などの発想です。”理想の都市計画”という関心事を軸にして、さまざまなメディアを使って対象の輪郭をつかみ、その理想の都市を自分なりに提案できるアイデアがきまったとします。その調べ学習的なレポートにオリジナリティを少し加えるとしたら、「モノ」と絡み合わせてジオラマを作ってみるのはどうでしょう?ジオラマの設計図をかき、手を動かして、パーツをくみ合わせていく。その中でも思考はぐるぐると回っており、きっと「あ、ちがうかも」「もっとこうするべきじゃない?」といった自問自答が始まるに違いありません。「モノ」と組み合わせることで、最初の自分の提案は、あなたの生きた経験をとおして書き換えられていくことでしょう。そしてさらに、「光(太陽)は?」、「風は?」、「シンボルは?」など新しい視点を加えて考え直したくなるでしょう。そうやって、初期の自分の考えをモノづくりという本物の経験をとおして更新し書き換えていくプロセスこそ、あなたしかできないあなたならではの探究に近づいていくに違いありません。
なんといっても出発点はそもそも「種」をどれだけもっているかです。たくさんの学びプロジェクトに参加して、授業でたくさんの気づきや学びを得て自分の引き出しにストックしておいてください。そのストックの数が、今後オリジナリティや創造性を発揮する要素になっていくはずです。同志社中学校の探究は一味も二味も違って、一斉になにかを体験するだけ、思うことを発表しあうだけの探究ではありません。ひとりひとりが研究テーマを持つことができ、研究の手ほどきをならいながら、オリジナリティを発揮して「新規性」という大きな壁に挑戦できるのです。もてるちからをつかって、挑戦してください。
(技術科 沼田和也)