ご存じの方も多いと思いますが、Newtonは科学の話題を紹介する月刊誌です。最新号は、数学の話題がちりばめられていますので、皆さんに紹介しようと思います。
「脳をだます錯視」
錯視は心理学の分野でも研究、紹介されています。
テーマのように、脳が間違うことで、紙に描かれたモノが動いて見えたり、浮かんで見えたりします。同じ色が全く違うように見えたりします。一方、数学で厳密に計算された錯視・トリックアートもあります。人工芝のグラウンドに描かれた広告が看板のように立って見えるのは数学の座標変換(中学校では相似がその分野の1つになります)や関数(比例や一次関数)が活躍して、錯視が設計されています。
この記事を監修された杉原厚吉さん(明治大学特別教授)は錯視の第一人者で、世界レベルで活躍されている研究者です。杉原さんの錯視作品の展示の案内もありましたので、ご紹介しておきます。
■富山県礪波市美術館「錯覚美術館」4月8日(土)~6月11日(日)
■北九州市科学館スペースLABO「数理工学博士がつくる錯覚の世界」
7月15日(土)~9月24日(日)
本校でも、立志館3階数学MS(メディアスペース)に杉原さんの監修された錯視模型を展示しています。平行に見える柱、勾配が逆に見える屋根等です。階段には、北岡明佳さん(立命館大学教授)が毎年作成されている錯視カレンダーも展示しています。ぜひご覧になってください。
「数列の神秘」パスカルの三角形から、フィボナッチ数列まで
数学科から本校生の皆さんに毎月出題している数学クイズがあります。その4月号は「数列」についての問題でした。数列は、ある規則にしたがって並んでいる数の列で、その規則を見抜いて隠してある数を当てるのが今回の問題でした。その中の1つ、
(2)1、1、2、3、5、8、?、21、34・・・
がまさにフィボナッチ数列でした。フィボナッチ数列は自身の前2つの数(「項」と言います)の和になっているという特徴があります。確認してみてください。ですので、?は5+8=13ということになります。数列の名前の由来は、レオナルド・フィボナッチ(1170ごろ~1250ごろ)という数学者が著した「算盤の書」(1202年出版)で、うさぎのつがいの増え方についての問題としてこの数列を紹介したことから来ています。松ぼっくりやヒマワリの種の並びにもこの数列が現れることがよく知られています。
その他、放物線の話題もありますし、アインシュタイン(1879~1955)の相対性理論も紹介されています。
Newtonは、図書メディアセンター、立志館3階数学MS(エレベータ横)に常設しています。ぜひご覧になってください。
(数学科 園田毅)