きっと科学が好きになる(映画「きっとうまくいく」のご紹介)
科学する楽しさを青春群像とともに満喫する
きっとうまくいく
(英語原題「3 idiots」)
2009年公開(2013年日本公開)のインド映画です。当時、インドの興行収入No.1を記録し、世界中で上映されました。171分の長編映画で、日本映画にはない「休憩」が途中に入ります。言語はヒンディー語と英語が混じっています。
主人公たちのエリート工科大学での大学生活と、10年後の彼らの再会が交互に紹介されていきます。当時のインドの超学歴社会への批判とともに、当時まだ珍しかったドローンを卒業制作で作る場面や、科学を楽しむ学校を作る科学者が描かれて、科学技術先進国インドを象徴する映画にもなっています。また、インド映画は9つの感情が盛り込まれていることが必要と言われていて、この映画も「シュリンガーラ(恋愛)、ハースヤ(笑い)、カルナ(悲しみ)、ラウドラ(怒り)、ヴィーラ(勇敢)、バヤナカ(恐怖)、ビーバッア(嫌悪)、アドゥブタ(驚き)、シャーンタ(平穏)」の感情が9つすべて含まれています。
私は主人公ランチョー(フルネームはとても長く「ランチョルダース・シャマルダース・チャンチャル」)が学生を成績順の競争に追い込み、丸暗記を強制する教授たちに反発し、一貫して科学を楽しもうとする生き方が強く印象に残りました。皆さんはいかがでしょうか。
(数学科 園田毅)