中学3年生弘田明幸さんは「フェルマーの最終定理」について調べました。
フランスの数学者ピエール・ド・フェルマー(1607-1665)によって示された問題は、
「xn + yn = zn (nが3以上のとき)を満たす整数解x、y、zは存在しない」
というものです。 n=2の場合は、中3で学ぶピタゴラスの定理になり、整数となるx、y、zの組は無限にあります。しかし、nが3以上になった瞬間、3数とも整数になる答えは1つもないというのがこの定理です。
この問題は、フェルマーの死後、1670年に発刊された書籍に記載されたメモによって公になりました。弘田さんは、そこから証明されるまでなんと300年以上かかった経過を紹介した後、日本の大学入試(信州大学、岩手大学)に出た関連問題、望月新一(京都大学)によるABC予想による定理の証明を紹介されました。ABC予想が成り立つとすると、1995年にアンドリュー・ワイルズによってなされた100ページ以上の証明が数行で終わる(n=6以上で定理が成立する。n=3、4、5の場合は従来の方法で証明される)そうです。
弘田さんは夏休み以降、先輩(京都大学理学部大学院生)からのサポートも受けて、定理の紹介に留まることなく、ある条件下「zが素数である場合」にフェルマーの最終定理が成り立つ(そのような素数z、自然数x、yは存在しない)ことを証明しました。弘田さんが自力で考え、とりくんだことが本当にすばらしいです。
弘田さんの研究論文は、数学教室「エラトステネス」(数学2)の廊下掲示板に展示してあります。
(数学科 園田毅)