「素数時計」のご紹介
注文していた素数時計が届きました。文字盤に素数しか書かれていない時計です。分も秒も素数のみです。2階メディアスペースのテーブルの上に置いています。
素数は私たちの身の回りのいろいろな分野で活躍していますが、最も身近で有名なのは「RSA暗号」です。インターネットで送受信される個人情報やインターネットを使った決済情報などを第三者から守るために使われています。画面上で「SSL(暗号化)通信」と表示されているのをご覧になった方がおられるのではないでしょうか。このとき、RSA暗号が使われています。この暗号は、数百桁の数を素因数分解するには高性能のコンピュータを使っても膨大な時間がかかることを利用して作られています。RSA暗号については、中学校の教科書(学校図書社)にも紹介されています。
また、今年2021年にタイムリーな話題として「素数ゼミ」があります。アメリカ東海岸、ニューヨーク州、ニュージャージー州等に今夏17年周期のセミが大発生しました。日本のイメージと違って、セミは毎年出てきて鳴くのではなく、その地域ではまさに17年に1度大量発生しているのです。17年ゼミの他13年ゼミがいることも知られています。発生周期が素数であることは、彼らの生存競争に大きく影響しているのです。興味を持った方はぜひ調べてみてください。
<参考文献>
吉村仁「素数ゼミの謎」(文藝春秋)
吉村仁「17年と13年だけ大発生? 素数ゼミの謎に迫る!」(サイエンス・アイ新書)
小川洋子「博士の愛した数式」
(数学科 園田毅)