金属材料の見方が変わる
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本物の経験の中でこそ感じることができる
ものづくりの世界で使われる金属材料はものすごい種類がありますが、硬さや粘り気、靭性は製品の仕様を決めるうえでとても大切な性質です。中でも「硬さ」をどう表現するかといったテーマは先人たちの大きなテーマ(現在もそうかもしれない)でした。ビッカース、ブリネル、ロックウェル・・など聞いたことがない硬さ試験(硬さ指標)が存在します。硬さを表すための先人たちの試行錯誤と苦労の歴史を感じることができます。大学で工学部に行けば材料力学などの講座で専門的に学べますが、中学校での一般教養としての学び(誰でも知っておくほうが良い共通教養みたいなもの)にふさわしい学び方はどのようなやり方があるだろうか考えてみました。
それは、”硬さ指標”をオリジナルで作ってみる取り組みです。いたって簡単です。試験片(多種の針金)をハンマーでつぶし、その回数を硬さの指標にしてまとめるのです。精度はありません。しかし、この取り組みの中で様々なこと学びます。
金属といえば、普通「硬い」というイメージですよね?
銅、真鍮、アルミ、鋼、はんだ、などの数種類をハンマーでたたいてみれば「なんて鋼は硬いんだ!」「アルミは柔らかい」「はんだは信じられないくらい柔らかい!」など、これまでの金属材料イメージが全く違ったものになっていきます。
加えて、たたくだけで「熱くなったり」、「とてもうるさい」など加工作業の中で初めてわかることがたくさんあります。摩擦、切削熱、展延性、非鉄金属、、言葉の説明だけでは実感は得られないと思いませんか?価値ある本物の原体験は狭い教科内のにとどまらず、様々な教科の学習、生きて働く想像力の源にもつながっています。簡単だけれど一度しかない貴重な体験を自分のものにしてください。
(knumata)
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