特集は「ChatGPTの衝撃」です。世界中で話題になっているChatGPTは中学生の皆さんも今では何度も耳にしていると思います。
ChatGPTがなぜとくに文章理解力、文章作成能力を持つようになった秘密は「Transformer」という技術にあるそうです。今までのAIは、文章処理を隣り合う単語の関係から考えていたのですが、ChatGPTは文章中の単語の関連をつかみ、次に出てくる単語を予測する能力を飛躍的に高めたと紹介されています。例えば「早く」の次の単語(動詞)を確定するために文章中にある単語に「注意」することによって「動く」なのか「寝る」なのか「起きる」なのか…を判定するそうです。
また、画像生成AIもまさに衝撃です。文字で指示した内容に合わせて画像を生成します。画像と単語の関連をAIが学習しているのです。
今、ChatGPTは世界中でさまざまな議論を生み、規制がかけられる国、分野も出ています。個人情報保護や未成年への影響の観点が規制の理由です。一方で、コンピュータが発展する中で文章作成やアイデアの提出などさまざまな「人間的な」言動や作業ができるようになっていくのはある意味必然とも言えます。ChatGPTの知識、判断の元は人類がこれまで蓄積してきたものなので、私たちが書物やwebサイトに対して今までそうしてきたように、ChatGPTのリアクションを参考にしつつ批判的に考える姿勢は必要だということかなと思います。
数学の話題は「悪夢の数学 ー 不完全性定理」というタイトルで、数学者クルト・ゲーデルによって20世紀に生み出された「不完全性定理」とコンピュータの父とも言われるアラン・チューリングを紹介しています。
(数学科 園田毅)