時空のアーティスト
廊下に広がる学びのスイッチ4
改札の 交錯の目の 友の影 冬の冷気に 負けぬ温もり
おにごっこ 紅く染まりし 皆の顔 その軌跡には つぶれた果肉
下り坂 ショートカットを 決めていく 俺はリアルの マリオカート
揺れるバス うわさばなしで 盛り上がる 我は恋愛相談係
作品は、私を一瞬のうちにバスの中や夕暮れの公園に送り込んでくれる。いわば、この廊下はことばのアーティストたちが自由に表現できるプラットフォームなのだ。「ことば」を短歌リズムに重ねて組み合わせることで、新しい世界が生まれる。ただの言葉の足し算・掛け算ではない。中学生たちが、毎日の中で体験したこと、聞いたこと、感じたこと、これらひとつひとつの小さなストーリーが、私の今の気持を振動させ、感情の響き合いを誘ってくれるような世界なのだ。
中学時代の今でしか感じることのできない気持ちがある。今でしか見えない景色、今でしか聞こえない旋律がある。そんなひとつひとつのエピソードをここに残していってほしい。(沼田)