第1回 建築・学びプロジェクト
<<建築家 荒川さんのお話>
シリーズ「建築・学びプロジェクト」はJIA(京都地域会建築と子どもたち https://jia-kyoto.org/activity/children.html)で活躍されておられる建築の専門家のみなさんからリレートークしていただけるプログラムです。まるで大学の講座のようですが、内容は中高生むけに話を作っていただけますので、安心して参加していただきたいし、ざっくばらんに質問したり雑談もできる雰囲気で、このコースを作っていきます。
一昨日、本校を卒業され建築家として活躍されている荒川晃嗣さん(テクトスタジオ)のお話を聴くことができました。「建築・学びプロジェクト」として、京都で活躍されている建築の専門家が建築をテーマにリレートークしていくセッションです。それは、大学の建築学科の一つの科目のようなもので、たとえば、「建築の理論と実際」というような科目のテーマで、現場の人を招いて現実の問題を学生達に考得る機会を提供するようなもの、そのものが、いま同志社中学校の学びプロジェクトに展開されているという夢のようなコースです。
建築家しての仕事の喜びのようなことを、「建築とは何か」というタイトルでお話いただきました。荒川さんからはとても熱いお話をいただき、私は、「建築の世界だけでなく全ての人に通じるお話だ」と、問いをいただきました。
「建築士はクライアントの出す要望の通りに設計すれば、したとしてもはたしてそれは良い仕事をしたといえるのか」という問いを立てて、建築家としての仕事の改良をつづけてこられたということです。
それは、私たち教職員の仕事に置き変えて考えることができる言葉だと感じました。以下、生徒の皆さんの気づきnoteを紹介させていただきます。
(沼田)
「私は日本には建築士という資格がないということに驚きました。建築士の資格を持っていても設計や監理できない人がいるということがあると知って建築士になるだけですぐ設計などができると思っているのは甘かったのだなと思いました。指示を待つのではなく次に何をしないといけないかを自分なりに考えることを大切にしていきたいなと思いました。」(Unegiさん)
2H09 佐藤 加恵 5 5 “「築家は、クライアントの言う通りの形やプランを描くものだと思っていたけれど、そもそもクライアントの言うことがあっているのかどうかが分からないんだということに驚きました。そもそものことについて考える建築家は、とても難しくて大変な仕事だなと思いました。しかし、クライアントとのコミュニケーションを重ねていくことで理想のものに近づけていく建築家はとても魅力的でやりがいのある仕事だなと思いました。」(Satoさん)
「とても楽しかったです!建築家についてとてもよく教えていただき、たくさんの質問にも答えていただいてとても面白い時間でした。心に残ったところは沢山あるのですが特に3つをかきます。1つ目は全ての要望にYesで答えてしまわない、ということです。その人をよくみて、専門家としてその人にもっと合ったプランを提供することをだいじにしておられていました。クライアントを本当に想った理念で、感動しました。自社の売上や利益だけでないお仕事の仕方もあるのだと知りました。ありがとうございました!2つ目はお墓の「自然」のアイディアがどこから出てきたのか?というふうに質問させていただいた時のことです。自分がお墓に入るとしたらどんなお墓にしたい?、使った人はどう思う?と想像していけば自然と、もしくは偶然にアイディアが出てくる、と答えられました。なるほど、と思いました。私はこのお墓の写真を見た時、「素敵。こんなお墓に入りたい」と思いました。実際に自分だったらどうか、入る方だったらどうか、と想像して作りた結果だと思います。昔思ったことがあります。私はほんが好きなのでお墓の墓石が開く本棚のようにして本をしまいたい。と考えたのです。ヨシタケシンスケさんという方の絵本に似たようなものがあったのでそれに影響されたものだったのだろうと思いますが、そのようにして考えていけば「本好きのためのお墓」とか、「生前もう読まない「本」を入れて置いて死後も読めるお墓」とか、そういったアイディアに繋がっていくのかもしれません。自分事にした時の想像が大事なのだと分かりました。3つ目は質問の仕方についてです。分からないから教えてください、と聞くのではなく、分からなくて自分なりにこういう答えになったのですが合っていますか、と聞く。ということでした。このお話でも私はとても感動しました。どちらの聞き方をしたって同じ質問です。分からなかったから質問した、という事実は変わりません。けれどもやはり仰ったように後者の方が本当に学び取ろうとするならばいいと思いました。1度自分の答えを出すことでそれをきっかけとして長期記憶に持っていくことができ、また考えたやり方が間違っていた場合にも、自分が考えたやり方が、もしかしたらほかの技術と組み合わせれば別なことに応用可能かも知れません。その「自分で考える」という1クッションでひとつだったはずの学びを何倍にも膨らまさせることができるんだ、と分かりました。」(Toyaoさん)
「日々の習慣で目標や夢などに近づける。習慣は重要。人びとが生活する住宅や都市のデザインから人の生活もデザインできるので、未来の持続可能な生活を考えるときに建築はとても重要な役割をするのではないかと思いました。クライアントの生活や要望から本当にクライアントが求めているカタチやデザインを見つけ出すことが大事。クライアントとのコミュニケーションを繰り返してそれを見つける。何度も案を出してクライアントが納得できる物をつくる。これは、デザイン思考のサイクルを繰り返してアイデアを磨いていくことなのではないかと思いました。」(Takahashiさん)
「まず、建築士と建築家が別であるということが意外でした。建築家の資格がないというのも、ややこしいなと思いました。また、建築家はお客さんの要望に合わせてただ設計するのではなく、お客さんとの会話を繰り返して、よりお客さんにあった建物を設計していくというのも関心しました。私は、LEGOで家を作ったりするのが好きで、また、どちらかというと理系が得意なので、もしかしたら建築家に向いているかもと勝手に思っていたのですが、実は文系が向いているのも驚きました。そのため、自分の考えや思考をより正確に相手に伝えるために、もっと沢山の本を読もうと思いました。」(Kobayashiさん)
「私が今回一番大切だと思ったのは、コミュニケーション能力です。建築をするにあたって、クライアントの求める設計を見つけ出すには確かに必要だと思いました。それを踏まえた上で、最後の質問・感想コーナーを聞きました。すると荒川さんは、どんなことを言われてもすぐに自分の意見を言っていました。私はそのコミュニケーション能力の高さに驚きました。また、私たちがこれから何をするべきなのか、お話を聞いてよくわかりかした。日常生活の中で、周りの景色を見たり、本を読んだりなど、自発的な取り組みができるので、私もやってみようと思いました。最後に、今回は建築士として経験してきたことを詳しく聞くことができました。私は、建築士を目指す人でなくても為になるお話だったと思います。参加して本当に良かったと思います。」(Takateraさん)
「建築にはあまり興味が無かったけれど、建築家の人の話を聞いて建築家のような仕事でもコミュニケーション能力は欠かせない事が分かりました。これからの学校生活でも、積極的に発言してコミュニケーション能力を磨いて行きたいなと思いました。」(Kondohさん)
「私にとってこの話は少し難しかったけど、講師の方が生き生きと話をされていたのを見て、建築の仕事はやりがいのあるものだということが伝わってきました。私はまだ将来の夢が見つかっていませんが、いつかやりたい仕事が見つかったら講師の方にとっての建築のように私もやりがいのある仕事を見つけたいです。 講師の方はクライアントの要望通りに建築するのではなく、クライアントが本当に必要としている建築ができるようにいろいろ提案して、何度も話し合って建築をしているとおっしゃっていました。これは、建築の仕事が好きだからこそできる事ではないかと考えました。分からないことがあったら、すぐに人に聞くのではなく一度自分で考えてみてからこの考えで合っているかどうか聞くことが大事だとおっしゃっていました。これは建築だけに限らずどんな時でも当てはまる事があるので、私は一度自分で考えてから人に聞くように心がけていこうと思いました。」(Taguchiさん)
「私が今回の学びプロジェクトで一番印象に残ったことは、共同住宅を建設することよりも個宅住宅の方が、建設するのは難しいということです。私的には、共同住宅の方が大きかったり、部屋の数が増えたりするので大変だと思っていたので、「大きいからといって大変というわけではない」ということを聞いて驚きました。また、建築家になるには常に好奇心を持つということが大切だとおっしゃっていました。私は船の模型や家の模型などを眺めたりするのが好きなので、建築家にもなってみたいなとも考えています。なので、あれはどういう構造なのだろう、どうしてこうなるのだろうと、常に考えていきたいと思います。」(Nishikiさん)