第4回 建築・プロジェクト
地域の文化と共に存在する建築
シリーズ「建築・学びプロジェクト」はJIA(京都地域会建築と子どもたち https://jia-kyoto.org/activity/children.html)で活躍されておられる建築の専門家のみなさんからリレートークしていただけるプログラムです。まるで大学の講座のようですが、内容は中高生むけに話を作っていただけますので、安心して参加していただきたいし、ざっくばらんに質問したり雑談もできる雰囲気で、このコースを運営しています。
第4回では、「地域の文化と共に存在する建築」というテーマで06/07(月)18:30で行いました。同志社中学だけでなく、関東・関西で他校の中高生の皆さんも参加し、大きなカンファレンスになりました。國吉 公一氏(https://www.kuniyoshi-architect.com/)、松木 一恭氏(https://jia-kyoto.org/architects/kazuyasumatsuki)のお二人からとても熱いプレゼンテーションをいただきとても感謝しています。そしてまたご参加いただいた富士見中高の生徒さんからも丁寧な感想をいただきました。(沼田)
以下は生徒の気づきノートです。
・「木の特性やその材料の特性を知った上で作っているのがとてもすごく適当に長さを測ってそのままって言うわけにはいかないとわかりました。そして膨張や空気の問題など学校でならうようなことも役に立つとなれば授業をしっかり聞いて未来に役立てたいです。」(2年)
・「建築には、情熱や想いがこもってるんだと感じました。」(1年)
・「昔の家は池などを作ることによって風通しをよくしているということを初めて知りました。興味深かったです。」(2年)
・「専門的な話が多くて難しかった。」(2年)
・「これがいい・悪いではなく、今ここではどちらがいいかを考える」(3年)
・「目標に達しなくても楽しくがむしゃらに頑張ってやればチャンスが来るというのが本当に楽しい考え方だしいいなと思いました。また、情熱が大切というのがカッコイイしいいなと思いました。」(1年)
“・「今回のお話を聞いて、建築家の方々は、色々なことに気づき、たくさんの人たちと案を出し、それを実際に作り上げることができる、観察力、知識力、想像力、発想力、創造力などがすごいなと思いました。
これは、建築家としてもちろん素敵なことですが、私は、人間として気遣いのできる素晴らしい方だなと思いました。
私は、そういった感性を育てていくのは将来的に考えてもとてもいいことだなと思ったので、日常的にたくさん興味を持ち、気になったことを観察したり、調べてみたりと、いろいろな知識をつけていきたいと思いました。」(2年)”
“・「 松木一恭さん
・軒裏まで考えている事が細かいと思った
・みんなホスト第一に考えていて素敵だなと思った
・施設ひとつひとつに合わせるように,というのが
岡田さんの話と重なって興味深かった
・高さの工夫はとても大切だと思った
・イメージパースを作った自由研究を見た事があって,
作るのが難しいことを知っていたので,巧さに驚いた
・彫り方の工夫が素晴らしかった
・いい物でも特許が降りないのは悲しかった
・見た目が良くなり,職人さんも得をするものは
伝統の保持にもいいと思った
・東寺保育園は子供がいることを配慮しつつ,
かつ昔ながらの風景を残していて素晴らしいと思った
國吉公一さん
「押小路の家」
・元の形を残す考え方がいいと思った。
・古い物を残すのではなく,良い新しいものは
取り入れるのが合理的だと思った
「ギャラリーを持つアトリエ」
・明るさの反転を作るのがかっこいいと感じた
「平成の京町家」
・暖かい感じがするいい家になる基準だと思った
全体を通して感じた事
・若い頃に知らないことを知るといい
・新しいけれど,どこかに「あ,ここ元々〇〇だったんだ」
と分かるような形がベストだと思った
・発展する土台を作る仕事は素敵だと思った
・日本の建築がどんどん変わっていくのが面白いと思った」(1年)”
・「センスは良い物をたくさん見ることで身につくということに気づきました。」(1年)
・「今まで聞いてきた人のほとんどが周りの建物のイメージや周りのイメージに合わせていると言っていたので合わせることが建築で重要ではないのかと思ってきた。」(2年)
“・「若い時に知らないことを積極的に取り入れて、体得することが大事なことが分かった。
実物の家の平面図で、実際に家具を置いて家族と空間や住み心地について話し合って、それから実際の建築に移っていることがわかり、ただ渡された設計図をもとに、家族との対談をしたうえでやっているだけではないんだなと思いました。ついに建築にも特許というものが付けられるようになって、コピーができないので、これまた新しい発想の建築ができそうだなと考えました。」(1年)”
“・「建築というのは、施主への配慮だけでなく、そして管理、コスト、環境など様々なものに配慮し、その施設にふさわしいものをつくっていくものであることを知りました。松木さんが設計された幼稚園の話はとても興味深かったです。そこを利用する子どもたちの立場に立って、手洗い場の工夫や、小指を動かすために蛇口の形を変えているなどの細かいところに配慮されているということにとても驚きました。また、素材の性質を生かしてつくられているというところなどの、学校で学んだことが役に立つというお話を聞いて、色々な知識をたくわえて、興味を持っていくことが大事だと感じました。國吉さんが設計された建物について、位置から見える風景まで考えているというところで、そんな工夫もあるんだと驚きました。また、昼と夜で建物の移り方が綺麗に変わるという外観まで配慮されていて、とてもすごいなと思いました。
建築家という職業は、なんとなく大変そうと思っていたのですが、施設のいろいろなところにアイデアを生み出し、設計していくというとてもわくわくするような職業であることを知りました。色々なアイデアを発掘して実現してゆく建築家の方々はとてもすごいと憧れました。今回のお話がとても楽しかったので、次回も参加したいです。」(3年)”
・「建築するにおいて子供への配慮がよく考えられていてすごい。また,建築の構造の図が凄く複雑で、でも綺麗だなと感じた。材料にも工夫があってすごい。こういうのを私も一度だけでも考えてみたいと思った。また,木がたくさん使われているので親しみやすい。」(1年)
・「今回初めて建築学びプロジェクトに参加して、プロの建築家の話や建築に対する情熱などが凄かったです。建築をするにあたって、幼稚園を例にして、建築家が勝手に設計して作るのではなくて、そこにいる幼稚園の先生などと話し合いながらどのような幼稚園にしたいか、どのような設計をしたら園児たちが賢くなるように出来るかみんなで話し合って決めているのがすごいなと思いました。建築家だから自分たちに従えとかというスタンスではなく、みんなで協力して建築物を作っていくというのがすごかったです。ただ単に建築物を建てるのではなくどのようにしたら風が光などがちょうど良く入ってくるかを考えていたりするという話を聞き建築家ってただ単にに建物を建てるわけではなく、色々考えないといけない職業なんだなと思いました。」(3年)
“・「松木さんが話されていた「後悔をしない建築」という言葉が印象的でした。自分のお金で作るのではなく、施主さんのお金から作るいただくからにはと「後悔をしない建築」を作るために、実際の図面を床に貼って体感してイメージに違いがないか、家具なども模型を手作りして使い勝手が悪くないか、サイズ感は合っているかなどを、対話しながら確認していくと聞いて、施主さんを絶対に後悔させないという覚悟みたいなものが伝わってきました。
國吉さんの建築も木で作られた雰囲気がすごく素敵で、それをさらによく感じさせるために、風や光の通り道や窓から見える外の景色までを考えているなんて思いもしませんでした。心地良い家を作るために、外の景色も考えることが必要なんだとわかりました。」(2年)”
“・「建築の世の中の風潮を気にせずに設計できたり、
自分したいこととと依頼者のことを考えながらする塩梅が難しい職業だと思った」(2年)”
・「建築家の魅力は、福祉にもいろんなことに気を配れる事。来てくださった方も思ったことを言っていて、おーと思いました。」(2年)
“・「実際に建築や改築をされている方の話を聞けてよかったです。
興味の持ったことがいくつかありました。
一つ目は現在、建築の中で使われていることが多い材料が「ガラス」です。(ガラス:現代建築の始まりとしての象徴)。 元来、木の壁や土壁で作られていたところもガラスが使われるのです。現代的な町(北山通りなど)には、ガラス、コンクリート、鉄が使われているそうです。なぜこういう材料を使うのかというと、火災の際に燃えにくい素材だからという理由もあるそうです。家の中に螺旋階段も設置されたそうなので、とてもお洒落だなと感じました。
二つ目は今、話題となっている『SDGs』。
世界で言う『SDGs』を京都なりに作って、持続可能な開発や環境エネルギーを考えることを目標としているそうです。京都市環境設定条件を満たした設計を行なっているのです。なんかすごい!
京都だからこそできる昔からの伝統を使ったりもしています。モダンな材料で断熱しながら京都の建築の良さを持続しながら未来を考えると難しいいこともやっておられるのです。例として、桜を見れる軒下や和風でお洒落な格子を使った仕切りで奥には使い勝手がいいキッチンなど建築の良さの見せ方は色々ですが、どれもとても良いと思いました。(格子:京町家として視線の配慮や採光)
三つ目は、カモフラージュです。
鉄筋コンクリートだけど、木造風にするということができます。
見た目は昔ながらの木造にしたい!だけど火事が怖い。こういう人が暮らす家としていいと思いました。耐火建造物で伝統的な木造建築を守る!
建築の5原則というのもあったので、一応紹介しておきます。
①自由な平面
②自由な立体
③横長の窓
④ピロティ
⑤屋上庭園
説明が合っているかわからないですけれど、自分なりに考えてみました。
↓↓↓
①→木の板だったり、カーペットだったり自分の好みに合わせ、相談して、作ってもらうことが大事だと感じました。
②→例えば子供部屋だと考えます。壁はもちろん机やクローゼット、タンスやカーテンなど好きなように自由に暮らすこがとができる空間がいいと思いました。
③→横長の窓を作ることで、景色が広々とみれて心地よい場所となると思いました。
④→1階を吹き通しにすると風通しが良くなります。私は、ピロティ型の家に住んでみたいです。
⑤→屋上があるっていいですよね。屋上に行くと見晴らしが良く、BBQもできるのではないでしょうか(^^)楽しそうですね!」(2年)”
“・「よくやってしまうのですが、時間をすっかり忘れてしまい遅れて入ったので最初の方のお話があまり聞けませんでした。(すみません)
京都の、町屋という文化は本当に素敵で素晴らしいと思います。京都の土地特徴から工夫が凝らされ趣のある見た目になっていて、私はとても好きです。茶室の造りも、大好きです。千利休が考えたんでしたっけ、、。入り口が狭く武器を持って入れないとか、そんな感じだった気がします。(あやふや)本当に色々なことを考えて作られていて、好きですね、、、色の使い方とかも。そんな町屋などを、今でも使えるようにリフォームというんですかね、ガラスにしたりと住みやすいように変えることもとても素敵だと思いました。
建築家としての話ということで、有名になったりするのも憧れるけれど、自分を必要としてくれる、自分を選んで仕事を頼んでくれる人がいるというお話を聞いて、とても素敵な仕事だと思いました。素敵で溢れてるな、と思いました…!!」(2年)”
・「施主さんが必要としている機能をオリジナルのもので満たすということは既製品ではできないことで、企画に囚われることなく施主さんとの対話を大切にしているからこそできることだと思いました。また、実際に使っている場面を観察したり想像したりして細かく配慮することも大切だと感じました。古くからのものを今風に、現代に合うようにアレンジして使うということも文化が進化しているようで素敵だと思いました。建築はいろいろな業界とつながっていると考えることができ、お互いの産業を活性化できるんだと思いました。また、他の業界と繋がっているからこそ環境のことや林業などを思いやって建築ができるのかなと思いました。古くからのものを知り新しいものに活用する、温故知新の大切さを感じました。建築も新しい技術や新しい基準によってどんどん変わっていっているということを知りました。光と影のポジティブとネガティブという視点を知りました。昔だからできたもの今だからできるものがあって、今だからできた建築がモダンなものだということに気づきました。その時に最高のものを作ってそれが伝統や文化になっていくということを聞いて現在もやっぱり文化は更新されていっているのだと感じました。昔の人はすごいなと思いながら見ていた古いお寺などの建築も建てられた時代では新しいもので今も昔も古いものから新しいものに進化してきたんだと思うと何だかワクワクします。自分も未来の人をワクワクさせるようなものを作れるだろうかと思います。草原があってそこの中に木が一本生えていると人はそこに集まる、それが建築の始まりで、建築も自然の風景の中の一部だという話を聞いて、たしかによく考えると人が作ったものは人という動物が生きるために作ったものでそれは他の動物が巣などを作るように自然の中の一部なのかもしれないと思い、では地球温暖化といったことも自然の流れででも私たちが地球温暖化の対策をとって温暖化が止まったとしてもそれもまた自然の流れなのだろうかと思い、こうしたことまでが自然であると考えることができるのならば不自然なものとは何だろうかと疑問が出てきました。とても難しいですが面白いなと思いました。」(2年)
“・「その地域に合う建築で幼稚園を木造風に作り、内装も子供たちが使いやすいように工夫しているのがすごいと思いました。また、今風なデザインにしたり、いい機能をつけていたところがいいと思いました。自然の材料を使って建築から自然との誘導を図るのもいいと感じました。
家の建築では、風を通したり、光を取り入れたりしていました。そして、その家を使う人に合わせ建築していました。こんな風にすると居心地が良さそうだな〜と思いました。
建築家の方がおっしゃっていた言葉で何を持って人生をまっとうするかは情熱を持ってがむしゃらに頑張ることだということが心に残りました。」(1年)”