ガンプラ(ガンダムプラモデル)をあなどることなかれ
オリジナリティをいかに発揮するか
一昔前は「プラモデルなんて、、、」「誰でもできるようなものを、、、」という教師はいました。しかし今はそういう人はいないのではないかなと思います。 なぜならプラモデルづくりという活動の中にとても教育的で個性を発揮できる要素が詰まっていると思うからです。例えば作り方の説明の図を読みながら組み立てていく作業自身の中に、空間的思考力を鍛える要素があります。テクニカルイラストレーションをと言われる二次元の図を読み取りながら、パーツを確認し組み上げていきます。こういった経験があるのとないのとでは、紙面上で図形問題を解くときなんかにも影響するんじゃないかと思います。空間概念といいますか空間感覚のようなものは間違いなくつきます。
さて、自由研究の作品から紹介します。“ガンプラ(ガンダムのプラモデル)の汚し”をテーマしたT君の自由研究の作品です。「汚し」はとても難しく、相当の経験と想像力が要求されます。そしてその想像力はきわめてロジカルに製作されるからです。まず、ガンダムの材料はどのような質感をもった材料として設定したかです。軟鉄なのか鋼なのか、またセラミックのような特性のある材質なのか、現存する材料の特性を考慮しながらガンダムボディの材料を設定するところか始まります。空想したガンダムの材質にどのような方法で色をつけたかという空想を重ねます。塗料を塗ったのか、塗料を吹き付けたのか、またはシールなのか、メッキ風なのか、どのような設定も可能ですが、自分のイメージする手法を空想的に設定します。
そこに、泥や油や付着したり、何かと擦れた場面を想像し、「ぶつかる」「擦れる」時の強さや回数や方向など自由に設定できるではないですか。大雑把に言ってしまえば茶色とか黒色の塗料を筆でさっと当てるだけなのですが、その一筆の行為の中に、その方が何を考えどのようにしたいのかといったオリジナリティあふれる創造力とかイマジネーションのアイデアとか、そういった作者の個性を感じることができるすばらしい作品なのです。主観的なロジックと言いますか、とてもユニークで面白い考えを楽しむことができる作品なのです。
ちなみにガンダムの社会的価値については別稿で紹介させていただきますが、日本デザイン振興会が出しているGood Dsign賞に何度も選ばれていますし、ビジネスという視点からも、注目されています。
他、プラモデルを自由研究にしてきた生徒の皆様の作品は、たくさんあります。日光東照宮、平等院鳳凰堂などジオラマの作品、ものすごく細かいところまで組み上げたSUZUKIバイク刀、フェラーリなどもあります。興味ある方はぜひ同志社中学校までお越しください。(knumata)