今ではポスタ-になったり、学校案内にも登場するなど、想遠館のカバ(リア-ンちゃんとモモちゃん)は有名な存在です。その剥製のカバ2頭は、当時、木造の醇化館に保存されていた時の雨漏りなどで傷みが激しく、専門業者に2か月(2011年7~9月)かけて皮膚などの修復をしてもらいました。
実はその際に大きい方のリア-ンちゃんの体内から、剥製製作当時の新聞がでてきました。その記事から一部を抜き出してみます。
「国際聯盟執行委員會召集の・・・ものにして第一回會議はヴェ・・・交換地に於て批准の・・・當日開催するに決しウィルソン大統領よりも同意の回答ありたり即・・・ヴェルサイユ條約批准の交換、同條約の適用・・・国際聯盟執行委員會第一回會議は佛國外務省に於て擧行せらる・・・法律専門家の意見によれば聯盟執行委員會は、米國の代表者を缺くとも合法的活動に入るを妨げず・・・ザ-ル流域管理委員を始め講和條約の規定せる各委員任命行はるべし▲国際聯盟は講和條約が動力を生じたる當日より實際に運用さるべきことや今確實なりと思惟せらる聯盟書記長は、巴里に於ける第一回會議より国際聯盟の運用機関を附與するの案を起草せり但・・・さ機関は単に一時的のものなるべし(國際巴里二一日發)」
この内容からは、ほぼ100年前1920年の国際聯盟発足前後の新聞であることが推測されます。ならば、カバの剥製作業はその後の近い時期になされたものでしょう。他の記事には「最新式 ラム萬年筆 LAMB’S IDEAL PEN」などの広告や「波蘭獨人の退去」のジュールカンボン氏(フランスの外交官のJules Cambon氏(1845~1935)と思われる)の名前もありました。カバの剥製から当時の世情がわかるとは驚きでした。
Have you seen the 2 hippos that appear on our promotional goods? They are Lian and Momo, and can be found in the Souenkan Building. Over the years their skin had become damaged, so we had them repaired in 2011. At that time, some torn up pieces of newspapers we found in Lian’s body. From reading the articles in these newspapers we can guess that they are from around 1920, so they are almost 100 years old. There was also an advertisement for “Lamb’s Ideal Pen”.
It’s amazing that a hippo can teach us so much about the past.